帝王切開を受ける妊婦の出血量減少のための予防的トラネキサム酸:系統的レビューとメタ分析

トラネキサム酸8.png・著者らは、帝王切開(CS)後の出血量減少における予防的トラネキサム酸(TXA)の有効性を評価することを目的とした。

・1990 年から 2023 年の間に発表された無作為化比較試験を PubMed と Embase で系統的に検索し、CS を受け予防的 TXA を投与された成人女性に関するメタ分析を行った。

24 件の試験、19 584 人の参加者が含まれた。ほとんどの研究は、健康な満期産の単胎妊娠の女性を対象としていた。プール推定では、TXA 群における平均出血量の減少が示され、標準化平均差(SMD)は -1.50(-2.03、-0.98:p<0.001)であった。異質性が高かった(I2 98.86%)。サブ群解析では、追跡 2 時間後の出血量に対する TXA の効果に統計的な差はなく、SMDは -2.24(-3.23, -1.35)であったのに対し、24 時間後と 48 時間後ではそれぞれ -1.07(-1.56, -0.58)と -1.10(-2.62, -0.42)であった(p=0.11)。出血量に対する TXA の効果は、高所得国では SMD が -0.24(-0.44, -0.04)(I2 63%)と、低・中所得国の -1.78(-2.35, -1.21)(I2 98%)よりも小さかった。バイアスのリスクが低い研究は 3 件のみで、そのうちの 2 件の TXA の効果は SMD -0.31(-0.54、-0.09)(I2 0%)であった。

合併症のない満期妊娠の女性に対する CS 後の出血の減少における TXA の明らかな有益な効果にもかかわらず、異質性は依然として深刻な懸念である。現在の知見の大部分は小規模で偏りのある可能性の高い研究で構成されており、偏りのない大規模な研究では、予防的 TXA の効果は限られている。

帝王切開にトラネキサム酸のルーチン使用は、もう標準Nでいいんじゃないの?

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