■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2024/08/02

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【問題1】(モニター) パルスオキシメータについて誤っているのはどれか。

ア:SpO2測定に用いられる波長は660nmと940nmである。

イ:メトヘモグロビン血症では、SaO2が85%以上の時SpO2は低く表示される。

ウ:一酸化炭素中毒では、SpO2はSaO2よりも高く表示される。

エ:高ビリルビン血症ではSpO2はSaO2よりも低く表示される。

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[解説] SpO2測定に用いられる波長は、赤色光(660nm)と赤外線(940nm)である。メトヘモグロビンの酸素飽和度は85%に等しい吸光度を示すため、その増加に伴って、85%に近付く方向で変化する。すなわち、酸素飽和度が高い場合(>85%)読みは真の値より低くなり、飽和度が低い場合(<80%)は高く出る。一酸化炭素中毒では、COHbの量にほぼ等しい量だけSpO2は、真の酸素飽和度よりも高く表示される。高ビリルビン血症はSpO2測定上なんら問題を生じない。


[正解] (エ) [出典] 第32回麻酔指導医認定筆記試験:B22



【問題2】(麻酔科学用語) コロン以下の日本語に相当する英単語、フレーズを答えよ。

(1) (_________y) : 容量モル浸透圧濃度(Osm/l)

(2) (c_____) (p_____) (b____) : 腹腔神経叢ブロック

(3) (_________s) : 加水分解

(4) (e_______________) (r________) (t_____) : 電縮水融解仮説

(5) (c____) (m____) : 交差[適合]試験


[解答]
(1)osmolarity(2)celiac plexus block
(3)hydrolysis(4)electrostriction releasing theory
(5)cross match


[出典] 麻酔科学用語集 第3版




【問題3】(体液・電解質) 高カルシウム血症の治療として不適当なのはどれか?
1) カルシトニン投与
3) 利尿剤
5) ステロイド投与
2) 補液
4) カルシウム拮抗剤投与


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[解説] 高カルシウム血症の治療上、補液は最も重要な処置である。1日投与量は、維持輸液2000ml+等張食塩水2000mlとする。利尿剤はループ利尿剤(フロセミド=ラシックス)を用いる。サイアザイド系利尿剤は、遠位尿細管に直接作用してカルシウムの再吸収を促進するので用いない。発汗、発熱、下痢、嘔吐等による体液喪失のない場合には4000ー10ml/kg(不感蒸泄15ml/kgー代謝水5ml/kg)が尿量となる。3000〜3500ml/dayとなるが、利尿剤を使用するため、尿量が増え過ぎることも多い。この場合は補液量を増やす。補液の種類は、尿中と血中の電解質測定しながら、5%ブドウ糖液、生理食塩水、KCl溶液を用いて調合する。カルシトニン投与;エルシトニン50単位(40〜80単位)を朝夕2回静注.グルココルチコイド;プレドニゾロンとして50mg/day.無機燐酸塩も血清カルシウムを低下させるが、異所性石灰化、血圧低下の副作用がある。


[正解] 4 [出典] クリティカル記憶術1P210



【問題4】(体液・電解質) 老人の細胞内液量は体重の何パーセント程度か?
1) 30% 2) 20% 3) 40% 4) 50% 5) 10%

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[解説] 新生児の体水分量は体重の80パーセント、乳児では70%、成人で60%、老人で50%と加齢とともに枯れてくる。新生児→乳児→成人となるに従って、細胞外液量が40→30→20%と低下して行き、成人→老人になるにしたがって細胞内液量が40→30%と減少する。


[正解] 1 [出典] クリティカル記憶術1p84

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