緊急帝王切開分娩時のビデオ喉頭鏡検査:新生児集中治療室入室との関連
・分娩患者は、気道管理が困難で胎児合併症を引き起こすリスクが高い。ビデオ喉頭鏡検査は、緊急治療が必要な場合の気管挿管を容易にするための気道ケアの新たな標準であるとの見解が示された。著者らは、緊急帝王切開分娩のために全身麻酔を必要とする分娩患者を対象に、喉頭鏡検査の手技の種類および気管挿管を容易にするために要した時間と、その後の新生児集中治療室(NICU)入室の発生率との関連を検討した。
・施設審査委員会の承認後、全身麻酔を必要とする緊急帝王切開術を受けた年齢 18 歳以上の分娩患者 431 例を本研究に登録した。2013 年 1 月から 2018 年 11 月までの電子カルテから患者特性、母体の併存疾患、緊急帝王切開分娩の適応を収集した。喉頭鏡の種類(ビデオまたは直接)別の気管挿管時間と NICU 入室率も収集した。気管挿管困難による NICU 入室の可能性と、気道確保に用いた喉頭鏡の種類による NICU 入室の可能性について、効果量の指標である 95% 信頼区間(CI)を伴うリスク差を算出した。
・喉頭鏡の主な種類としてのビデオ喉頭鏡は、全身麻酔の 24.1%(95%CI 20.3%〜28.3%)で使用された。気管挿管困難の発生率は 4.4%(95%CI 2.8%〜6.7%)であり、直視型喉頭鏡(3.1%)よりもビデオ喉頭鏡(8.7%)で高い発生率が観察され、リスク差は 5.6%(95%CI 0.001%〜11.3%)であった。NICU 入室の発生率は 38.4%(95%CI 34.0%-43.1%)であった。気管挿管成功までの時間はビデオ喉頭鏡のほうが長かった。ビデオ喉頭鏡検査は直視型喉頭鏡検査(36%)よりも NICU 入室(47%)との関連性が高く、リスク差は 11.4%(95%CI 0.01%-22.3%)であった。
・ビデオ喉頭鏡検査は気管挿管困難の発生率を減少させず、気管挿管に要する時間も減少させなかった。ビデオ喉頭鏡検査は NICU 入室の高い関連性と関連していた。これらの結果は、帝王切開のための全身麻酔の緊急治療条件下における気管挿管の標準治療として、ビデオ喉頭鏡検査が直視型喉頭鏡検査に取って代わるものではないことを示唆している。
・施設審査委員会の承認後、全身麻酔を必要とする緊急帝王切開術を受けた年齢 18 歳以上の分娩患者 431 例を本研究に登録した。2013 年 1 月から 2018 年 11 月までの電子カルテから患者特性、母体の併存疾患、緊急帝王切開分娩の適応を収集した。喉頭鏡の種類(ビデオまたは直接)別の気管挿管時間と NICU 入室率も収集した。気管挿管困難による NICU 入室の可能性と、気道確保に用いた喉頭鏡の種類による NICU 入室の可能性について、効果量の指標である 95% 信頼区間(CI)を伴うリスク差を算出した。
・喉頭鏡の主な種類としてのビデオ喉頭鏡は、全身麻酔の 24.1%(95%CI 20.3%〜28.3%)で使用された。気管挿管困難の発生率は 4.4%(95%CI 2.8%〜6.7%)であり、直視型喉頭鏡(3.1%)よりもビデオ喉頭鏡(8.7%)で高い発生率が観察され、リスク差は 5.6%(95%CI 0.001%〜11.3%)であった。NICU 入室の発生率は 38.4%(95%CI 34.0%-43.1%)であった。気管挿管成功までの時間はビデオ喉頭鏡のほうが長かった。ビデオ喉頭鏡検査は直視型喉頭鏡検査(36%)よりも NICU 入室(47%)との関連性が高く、リスク差は 11.4%(95%CI 0.01%-22.3%)であった。
・ビデオ喉頭鏡検査は気管挿管困難の発生率を減少させず、気管挿管に要する時間も減少させなかった。ビデオ喉頭鏡検査は NICU 入室の高い関連性と関連していた。これらの結果は、帝王切開のための全身麻酔の緊急治療条件下における気管挿管の標準治療として、ビデオ喉頭鏡検査が直視型喉頭鏡検査に取って代わるものではないことを示唆している。
ひこ
緊急帝王切開の場合、気管挿管の成功・不成功にかかわらず、妊婦の意識が消失し次第、即刻に胎児を娩出させるべきであるので、「ビデオ喉頭鏡を使用しようが、直視型喉頭鏡を使用しようが、新生児の転帰に影響を及ぼさない」という結果になるのが好ましいと思う。
【出典】
Videolaryngoscopy during Urgent Cesarean Delivery: Association with Neonatal Intensive Care Unit Admission
South Med J. 2024 Aug;117(8):494-497.
Videolaryngoscopy during Urgent Cesarean Delivery: Association with Neonatal Intensive Care Unit Admission
South Med J. 2024 Aug;117(8):494-497.
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