■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2024/08/06
【問題1】(代謝・内分泌) 低血糖に対してブドウ糖投与後1時間経過しても意識が改善しない場合には何を投与するか?? | 1) インスリン 3) アンフェタミン 5) 酸素 | 2) グルカゴン 4) ステロイド |
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[解説] 低血糖性昏睡の場合の治療は、(1)50%ブドウ糖液50ml静注→血糖値を100mg/dl上昇させる。ブドウ投与のための血管確保に手間取る場合には、グルカゴン1単位(約1mg)を筋注→10分以内に血糖は上昇する。 (2)ついで血糖値150〜200mg/dlを目標に10%ブドウ糖液点滴. (3)1時間経っても意識が改善しない場合には脳浮腫を考え、ハイドロコーチゾン100mg静注 (4)さらに1時間後も覚醒しなければ、デキサメサゾン10mg静注/6時間毎投与.グリセオール500ml/2時間/8時間毎投与.(この段階では脳専門医にコンサルトする。)
[正解] 4 [出典] クリティカル記憶術2P71
■ これって常識? ■ 鉄欠乏性貧血は,Hb,MCVが正常化後さらに3カ月以上は鉄剤投与せよ! |
1)鉄欠乏性貧血に対して鉄剤を投与してHb,MCVが正常化しても,貯蔵鉄はまだ正常化していない.フェリチン値の正常化を目安にして,さらに3カ月以上の投与が必要.
2)鉄欠乏性貧血の原因疾患の検索が必要なことは,言うまでもない.
[出典] 知っているつもりの内科レジデントの常識非常識 第3章 378の常識〜血液編
【問題2】(呼吸) 一人で心肺蘇生を行う場合の、心マッサージと人工呼吸の割合はどれか? | 1) 20:5 4) 8:2 | 2) 5:1 5) 15:2 | 3) 12:2 |
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[解説] 一人で心肺蘇生を行う場合の、心マッサージと人工呼吸の割合=15:2、二人で心肺蘇生を行う場合の、心マッサージと人工呼吸の割合は5:1で行なう。
[正解] 5 [出典] 研修医ノートP260
【問題3】(心臓・血管) βブロッカについて正しいのはどれか? | ア:エスモロールはランジオロールよりも、循環動態のより注意深い観察が必要である。 イ:高リスク患者の周術期にβ1 遮断薬を投与すると、予後が改善する可能性がある。 ウ:エスモロールは肝臓ではカルボキシエステラーゼで分解される。 エ:エスモロールは血球中のエステラーゼで加水分解される。 オ:ランジオロールは肝臓でも代謝を受けるため、肝疾患患者では血中濃度が上昇する恐れがある。 |
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[解説] ア○:エスモロールはランジオロールよりも血圧低下作用が強く、その発現時間も遅いので、循環動態のより注意深い観察が必要である。循環動態の不安定な患者には、エスモロールよりもランジオロールのほうが安全に使用できる。
イ○:高リスク患者の周術期にβ1 遮断薬を投与すると、予後が改善する可能性がある。
ウ×:エスモロールは肝臓では代謝を受けない。これに対し、ランジオロールは肝臓と血漿中で代謝を受ける。
エ○:エスモロールは血球中のエステラーゼで加水分解される。
オ○:ランジオロールは肝臓でも代謝を受けるため、肝疾患患者では血中濃度が上昇する恐れがある。
[正解] 解説を参照 [出典] Anesthesia 21 Century Vol.10 No.2-31 2008
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