全身麻酔におけるレミマゾラムとプロポフォールの血行動態効果の比較:系統的レビューとメタ分析

レミマゾラムB.png・副作用の少ない安全な麻酔薬の必要性から、レミマゾラムが開発された。レミマゾラムは、一般的に使用されているプロポフォール(これは、循環動態作用が大きい)に代わる新しいベンゾジアゼピンである。本研究の目的は、全身麻酔中のレミマゾラムとプロポフォールの血行動態効果を比較することである。

・2023 年 2 月 13 日に Embase、Web of Science、Cochrane Library、Scopus、PubMed の各データベースにおいて、Cochrane Handbook および PRISMA 声明の推奨に従って系統的検索を行った。関連性の尺度はリスク比(RR)または標準化平均差とし、95% 信頼区間(CI)および 95% 予測区間(PI)を用いた。追加検索は 2023 年 09 月 04 日に実施された。編集者の推奨に基づき、試験逐次解析と GRADE エビデンス表が実施された。

・適格基準を適用し重複を除外した後、1951 人の患者から成る 16 件の無作為化臨床試験がメタ分析に組み入れられた。プロポフォールよりもレミマゾラムを支持する有意な関連は、以下の側面で観察された:術中低血圧イベント(RR=0.47;95%CI=0.41〜0.54;95%PI=0.40〜0.55);血管作動薬投与の頻度(RR=0.54;95%CI=0.46〜0.64;95%PI=0.41〜0.74);術中徐脈(RR=0. 39;95%CI=0.27〜0.57;95%PI=0.26〜0.66);導入時平均動脈圧(MD=7.77;95%CI=6.00〜9.55;95%PI=4.39〜11. 15);導入時の心拍数(MD=6.40;95%CI=4.07〜8.73;95%PI=0.33〜12.48);挿管時の心拍数(MD=6.06;95%CI=2.33〜9.78;95%PI=-5.59〜17.71)。

・本研究は、レミマゾラムが全身麻酔中にプロポフォールと比較して心肺抑制作用が少なく、副作用プロファイルが良好であるというエビデンスを提供するものである。

レミマゾラムは、プロポフォールに比較して、循環抑制作用が少ない。

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