待機的帝王切開分娩における術前の経口糖質含有液と普通の水との比較:無作為臨床試験

術前飲料.png・伝統的な長時間絶食レジメンは、最近、手術 2 時間前まで炭水化物を多く含む透明な水分を摂取するガイドラインに取って代わられた。本研究では、術前の経口水分に炭水化物を添加することで何らかの利点が得られるかどうかを検討したいと考えた。

・無作為臨床試験、本研究は、北インドの単施設で、くも膜下ブロック下で待機的帝王切開術が予定されている満期単胎妊娠を対象に実施された。参加者は 50 人ずつ 2 群に無作為に割り付けられた。手術の 2〜4 時間前に、炭水化物群」には 50g のブドウ糖を含む水分 400mL が投与され、「普通の水群」には水 400mL が投与された。術前の空腹感、口渇、不安感、疲労感、嘔気の評価には視覚的アナログスケールを用いた。術中の平均動脈圧、低血圧、嘔気、嘔吐が記録された。術後 1 日目に、麻酔からの回復を QoR-40 質問票を用いて評価した。血糖値は術後初日と臍帯血で比較した。

空腹感、口渇、不安、嘔気、疲労の術前視覚アナログスケールスコアは両群で同程度であった。低血圧の発生(P=0.688)およびフェニレフリンの使用(P=0.39)、麻酔からの回復(P=0.92)、臍帯血血糖値(P=0.24)、術後血糖値も両群で有意差はなかった(P=0.81)。

・本研究では、くも膜下ブロック下で待機的帝王切開分娩を受ける女性において、術前の炭水化物含有液が術前の普通の水よりも有意に優れているという結果は得られなかった。

:差がないといっても、やはり炭水化物甘味料が含まれているほうが飲みやすいだろう。

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