腹腔鏡下肥満症手術患者における術後回復の質に関するレミフェンタニル併用下でのセボフルラン vs プロポフォールの比較

セボ VS プロポ.png・本研究は、腹腔鏡下肥満症手術を受ける患者の術後回復の質に対するセボフルラン+レミフェンタニル(Sev+Rem)とプロポフォール+レミフェンタニル(Pro+Rem)の効果を評価・比較し、どちらの麻酔レジメンが全体的により良好な回復経験をもたらすかを明らかにすることを目的とした。

60 例の患者を受けた治療法に基づいて 2 群に分けた: Sev+Rem 群(n=30)と Pro+Rem 群(n=30)である。Sev + Rem 群では、セボフルラン吸入(0.5%、0.5〜4% に増量)とレミフェンタニルの標的制御注入が行われた。Pro + Rem 群には、プロポフォール[4-8mg/(kg-h)]とレミフェンタニルを目標制御注入で投与した。麻酔深度は両群とも BIS 値が 40-60 に維持された。周術期のデータ、血行動態パラメータ、術後の回復の質が評価された。

Pro+Rem 群と比較して、Sev+Rem 群のレミフェンタニル投与量は有意に少なかった(1693.67±331.75 vs. 2,959±359.77、p<0. 001)。ノルエピネフリンを使用した患者の割合は 16 (53.33人) vs 8(26.67人)、p=0.035]、抜管時間は早かった(356.33±63.17 vs 400.3±50.11、p=0.004)。血行動態の結果では、手術開始時および術後 1 時間の HR は、Sev+Rem 群が Pro+Rem 群より速かった(67.37±4.40 vs. 64.33±4.44 分、p=0.010, 69.07±4.23 vs. 66.40±5.03, p=0.030)。術後回復の質の評価に関しては、Sev+Rem 群の情動状態スコアは Pro+Rem 群より有意に低かった(36.83±2.79 vs. 39.50±4.64, p=0.009)。

2 つの麻酔法(Sev+Rem と Pro+Rem)は、腹腔鏡下肥満症手術を受ける患者にとってそれぞれ長所と短所があり、術後の回復の質には同等の効果がある。

早期抜管したいならセボフルラン、回復の質を取るならプロポフォールかな。

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