セリック手技とトレンデレンブルグ体位における直視型喉頭鏡およびビデオ喉頭鏡を用いた気管挿管と、仰臥位スニッフィング体位における直視型喉頭鏡を用いた気管挿管との比較:無作為比較試験

トレンデレンブルグ体位.png・セリック手技とトレンデレンブルグ体位(ST 体位)での気管挿管は誤嚥を予防できるが、気管挿管の難易度は高くなる。著者らは、ST 位でのビデオおよび直視型喉頭鏡を用いた気管挿管を、仰臥位での直視型喉頭鏡を用いた気管挿管と比較し、総合的な挿管成績を評価した。

・120 名の患者を 3 群に無作為に割り付けた:仰臥位スニッフィンッグ体位での直視型喉頭鏡(コントロール)、ST 位直視型喉頭鏡(ST direct)、ST 位ビデオ喉頭鏡(ST video)。主要評価項目は挿管時間であり、副次評価項目は気管挿管の初回成功率、挿管困難度スケールスコア、挿管困難度に関する術者の主観的評価、修正 Cormack-Lehane グレードなどであった。

挿管時間の中央値は、ST 直接群(36.0 秒)およびビデオ群(34.5 秒)が対照群(28.0秒)よりも長かった。初回挿管成功率は、ST 直接群(77.5%)では低下したが、ビデオ群(95.0%)では対照群(100%)に比べて低下しなかった。

誤嚥のリスクを減らすことを目的とした ST 位での気管挿管の課題は、挿管時間がわずかに長くなるにもかかわらず、ビデオ喉頭鏡を使用することで軽減できる。

通常、頭高位にした方が喉頭狭視野は改善するが、頭低位(トレンデレンブルグ)では視野が悪化する。ビデオ喉頭鏡を使用すればこれを相殺できると。

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