敗血症性ショック患者におけるケタミンとフェンタニルのボーラス投与による血行動態効果の比較:無作為化比較試験

ケタミン.png・ケタミンおよびフェンタニルは、重症患者の鎮静および麻酔導入に一般的に使用されている。本研究では、敗血症性ショック患者におけるケタミンとフェンタニルのボーラス投与による血行動態への影響を比較することを目的とした。

・本無作為化比較試験は、鎮静を受ける敗血症性ショックの機械的人工呼吸を受けた成人を対象とした。患者は 1mg/kg のケタミン・ボーラス投与と 1μg/kg のフェンタニル ボーラス投与のいずれかに無作為に割り付けられた。心拍出量(CO)、一回拍出量量(SV)、心拍数(HR)、平均動脈圧(MAP)が、ベースライン時、介入後 3、6、10、15 分に測定された。デルタ COは、ベースライン測定値に対する各時点での CO の変化として算出された。主要評価項目は試験薬投与 6 分後のデルタ CO であった。その他のアウトカムには CO、SV、HR、MAP が含まれた。

・86 人の患者が解析された。薬物注入後 6 分のデルタ CO の中央値(四分位値)は、ケタミン群で 71(37、116)%であったのに対し、フェンタニル群では -31(-43、-12)%であり、P値<0.001 であった。CO、SV、HR、MAP はベースライン値に対してケタミン群で増加し、フェンタニル群で減少した。

敗血症性ショック患者において、ケタミン・ボーラスはフェンタニル・ボーラスと比較して CO と SV の上昇と関連していた。

ショック患者の導入には、血行動態の安定性からケタミンが優れている。

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