肥満患者におけるビデオ喉頭鏡検査困難の予測因子としての術前ベッドサイド検査指標:前向き観察研究

コーマック分類2.png・本研究の目的は、肥満患者におけるビデオ喉頭鏡検査困難に関連する因子を同定することである。

待機的腹腔鏡下減量手術を受けた肥満患者計 579 例を対象に、全身麻酔下でビデオ喉頭鏡を用いて単腔気管チューブを挿管し、Cormack-Lehane 分類(ビデオ喉頭鏡の難易度は 3 以上と定義)に基づき、ビデオ喉頭鏡容易群とビデオ喉頭鏡困難群に分けた。患者の全身状態、気道に関するベッドサイドでの検査指標、挿管中の Cormack-Lehane 分類、挿管失敗率を記録する。

・本研究の結果、肥満患者におけるビデオ喉頭鏡検査困難の発生率は 4.8% であった。多変量ロジスティック回帰分析の結果、肥満度がビデオ喉頭鏡検査困難と有意に関連していることが示された(OR = 1.082、95%CI[1.033-1.132]、P<0.001)。

・気道確保が困難であることが知られていない中国人肥満患者において、ビデオ喉頭鏡検査困難の発生率は 4.8% であった。肥満度はビデオ喉頭鏡検査困難の発生に関連する因子であり、肥満度が上昇するにつれてリスクの増加が観察された。

従来の見解としては、直視型喉頭鏡の場合には、BMI よりも頚部周囲径のほうが危険因子とされていたはず。

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