■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2024/08/26
【問題1】(血管手術の麻酔) 解離性大動脈瘤について正しい記述はどれか。 | ア:Stanford 分類A型は内科的治療の方が、外科手術より死亡率が高い。 イ:Stanford 分類B型で急性対麻痺を起こした場合には、緊急手術が必要である。 ウ:上行大動脈解離では、右冠動脈のほうが左冠動脈より巻き込まれやすい。 エ:下行大動脈瘤の手術では必ず心肺バイパスが必要である。 |
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[解説] Stanford分類A型は、上行大動脈解離があるものをいい、B型は解離が下行大動脈に限られているものをいう。A型は外科的に治療される。下行大動脈手術では対麻痺が起こる率は1−23%と報告されている。下行大動脈手術では、単純遮断やガットシャントを用いて手術を行うこともある。
[正解] (ア)、(イ)、(ウ) [出典] 麻酔科クリニカル問題集
【問題2】(呼吸) 患者が一気に吸いたいだけ吸うことができて、しかも呼吸を補助してくれる呼吸モードはどれか? | 1) CMV 4) PSV | 2) SIMV 5) IRV | 3) CPAP |
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[解説] SIMV=「自発呼吸の合間に自発呼吸をトリガーして強制換気が行われ、最低換気量が保証される呼吸モード」、プレッシャ・サポート=「患者の呼吸に合わせて、設定圧になるまで呼吸を補助する換気モード」、CMV=「すべての換気が強制換気(調節換気)である呼吸モード」、CPAP=「自発呼吸下に持続的に気道内に陽圧をかける呼吸モード」、これらのうち、患者が一気に吸いたいだけ吸うことができて、しかも呼吸を補助してくれる呼吸モードはプレッシャ・サポート(=PSV)である。
[正解] 4 [出典] 新版・人工呼吸器の使い方P20
【問題3】(中枢神経) 縮瞳をきたさないのはどれか? | 1) Horner症候群 3) 橋出血 5) 有機リン中毒 | 2) モルヒネ 4) 交感神経緊張 |
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[解説] 縮瞳とは瞳孔径<2mm.交感神経障害(Horner症候群、橋出血)あるいは副交感神経緊張(モルヒネ、有機リン)による。縮瞳をきたす疾患=「キリンは教室でも昼寝だ、ほら寝る症候群」 キリン=有機リン中毒、教室=橋出血、も昼寝=モルヒネ、ほら寝る=Horner症候群.
[正解] 4 [出典] クリティカル記憶術2P11
【問題4】(代謝) 糖尿病について正しいのはどれか? | ア:高血糖は、浸透圧利尿、脱水、高浸透圧を招来する。 イ:グルカゴンはインスリン拮抗性ホルモンである。 ウ:インスリン拮抗性ホルモンは、グリコーゲン分解を促進する。 エ:インスリンは、グリコーゲン分解を促進する。 オ:妊娠性糖尿病は、妊婦の2〜5%に認められる。 |
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[解説] ア:○:高血糖は、浸透圧利尿、脱水、高浸透圧を招来する。
イ:○:アドレナリン、コルチゾール、成長ホルモン、グルカゴンはインスリン拮抗性ホルモンである。
ウ:○:インスリン拮抗性ホルモンは、グリコーゲン分解を促進する。
エ:×:インスリンにはブドウ糖の取り込み、グリコーゲンの貯蔵、蛋白合成、アミノ酸の輸送、脂肪の合成を促進する働きがある。
オ:○:妊娠性糖尿病は、妊婦の2〜5%に認められ、その中の40〜60%が将来 II 型糖尿病へと移行する。
[正解] 解説を参照 [出典] 麻酔科シークレット第2版 p345-350
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