■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2024/08/29
【問題1】(外傷・出血・感染) アスピリン100mgを4週間投与されている患者がいる。どれくらいの期間で血小板凝集能が回復するか? | ||||
1) 10日 | 2) 7日 | 3) 4日 | 4) 14日 | 5) 2日 |
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[解説] アスピリン投与→プロスタグランディン合成抑制→血小板凝集能の障害→出血傾向増強。アスピリン投与患者に部分麻酔を施行する場合、血腫形成の問題が無視できない。アスピリンを少量(40〜100mg/日)、大量(500mg/日)を短期(1週間)、長期(4週間)投与した場合、いずれの場合も出血時間は3日で回復する。血小板凝集能は、これよりも回復が遅れ、小量の場合には長短にかかわらず4日目に、大量短期では5日目に、大量長期には7日目に正常化する。出血時間が正常化でも、血小板凝集に障害がないとはいえない。小児用バファリン=アスピリン81mg
[正解] 3 [出典] ANESTHESIA ANTENNA No15-p24
【問題2】(麻酔中の問題) テオフィリンについて正しい記述はどれか。 | ア:喫煙者は非喫煙者よりテオフィリンの除去半減期が短い。 イ:シメチジンを併用するとテオフィリンの作用時間は延長する。 ウ:テオフィリンは上腹部手術後の横隔膜の動きを改善する。 エ:テオフィリンは胃食道括約筋の緊張を低下させる。 |
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[解説] テオフィリンは主として肝臓で代謝される。肝疾患、心不全患者、老齢者では血清濃度が上昇しやすい。シメチジン、β遮断薬、エリスロマイシン、アロプリノール投与で血清濃度は上昇する。喫煙者、フェノバルビタール、フェニトイン、リファンピシン投与で、血清濃度は低下する。上腹部手術後の横隔膜機能を改善すると報告されているが、臨床的意義は明らかではない。
[正解] (全て) [出典] 麻酔科クリニカル問題集
【問題3】(代謝) 肥満患者について正しいのはどれか? | ア:肥満患者では胃内容の排泄が促進される。 イ:肥満患者では術後の無気肺の発生率が高い。 ウ:肥満患者の深部静脈血栓症の発生率は非肥満患者と変わらない。 エ:体重が増加するにしたがって、酸素消費量も増加する。 オ:肥満患者は無症候性の心筋梗塞の危険性が高い。 |
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[解説] ア:×:肥満患者では胃内容の排泄が遅延し誤嚥のリスクが高い。超肥満患者の85〜90%は8時間の絶食後でも胃内容が25ml以上貯留している。
イ:○:肥満患者では術後の無気肺の発生率が高く、その持続日数も長くなる。超肥満患者は、術後4〜7日間は低酸素血症のリスクが高い。
ウ:×:肥満患者の深部静脈血栓症の発生率が高いため、低用量のヘパリンを皮下投与し、弾性ストッキングを着用させ、歩き回ることを勧める。
エ:○:体重が増加するにしたがって組織量も多いため、酸素消費量も増加する。
オ:○:肥満患者は糖尿病を伴う場合が多く、無症候性の心筋梗塞の危険性が高い。
[正解] 解説を参照 [出典] 麻酔科シークレット第2版 p358〜363
■ これって常識? ■ 吐血の患者をみたら,本当に吐血か否かを確かめよ! |
鼻腔や口腔からの出血,あるいは喀血の可能性も考える.
[出典] 知っているつもりの内科レジデントの常識非常識 第3章 378の常識〜消化器編
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