小児扁桃摘出術におけるオピオイド消費量に対するデキサメタゾンの効果:メタ分析を伴う系統的レビュー

デキサメタゾン6.png・扁桃摘出術は、世界中で小児に行われる最もよく見られる外来手術の一つであり、カナダでは毎年約 4 万件の手術が行われている。先行する系統的レビューでは、鎮痛補助薬としてのデキサメタゾンの明確な役割が示されているが、オピオイド消費量に対する効果は不明である。今回のメタ分析を伴う系統的レビューでは、デキサメタゾンの使用は小児扁桃摘出術における周術期のオピオイド消費量を減少させるが、術後出血の割合は増加させないという仮説を立てた。

・創始から 2024 年 4 月 23 日まで、MEDLINE、Embase、Cochrane Databases、Web of Science を体系的に検索した。小児の扁桃摘出術において、デキサメタゾン静注とプラセボを比較した無作為化比較試験を対象とした。主要転帰は周術期のオピオイド消費量とし、副次評価項目は術後出血の発生率などとした。ランダム効果メタ分析を用いて、各アウトカムの平均差(MD)またはリスク比(RR)と 95% 信頼区間(CI)を算出した。

・検索で同定された 1,329 件の研究のうち、16 件を最終解析に組み入れた。デキサメタゾン静注投与は、再入院(RR、0.69;95%CI、0.28〜1.67)または術後出血による再手術(RR、3.67;95%CI、0.79〜17.1)の発生率を増加させることなく、オピオイド消費量を有意に減少させた(MD、-0.11mg-/kg経口モルヒネ換算;95%CI、-0.22〜-0.01)。

デキサメタゾン静注は、術後出血の発生率を増加させることなく、小児扁桃摘出術における周術期のオピオイド消費量を減少させた。

小児の口蓋扁桃摘出術では、デキサメタゾンをルーチン使用して良さそうだ。

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