全身麻酔後のレミマゾラムとプロポフォールの回復の質の比較:系統的レビューと無作為化比較試験のメタ分析

チェックリスト5.png・本研究の目的は、全身麻酔手術後のレミマゾラムとプロポフォールの回復の質を評価することであった。

全身麻酔後のレミマゾラムとプロポフォールの回復の質を比較するために、2024 年 6 月 26 日までに EMBASE、PubMed、Cochrane Central、Scopus、Web of Science で適格な無作為化比較試験(RCT)を対象とした。主要評価項目は、術後 1 日目(POD1)における QoR-15(Quality of Recovery-15)と QoR-15 の 5 つの次元の合計であった。副次評価項目は、有害事象、POD1 における QoR-40(Quality of Recovery-40)、術中および術後の時間的特徴であった。

13 件の RCT、合計 1,305 例がこのメタ分析に含まれた。統計解析の結果、POD1 ではレミマゾラム群の QoR-15 スコアが高く、有意差は認められなかった(平均差(MD)=1.24;95% 信頼区間(CI)、[-1.67-4.15];I2=75%;P=0.41)。QoR-15 の 5 つの次元において、レミマゾラム群はプロポフォール群より身体的自立性の点で優れていた(MD=0.79; 95% CI[0.31-1.27]; I2 = 0%;P= 0.001)。低血圧(リスク比(RR)=0.48;95%CI[0.40-0.59];I2=14%;P<0.00001)、徐脈(RR=0.18;95%CI[0.08-0.38];I2=0%;P<0.0001)、注入時痛(RR=0.03;95%CI[0.01-0.12];I2=48%;P<0.00001)の発生率は、それぞれレミマゾラム群がプロポフォール群より低かった。術中術後の時間的特徴および QoR-40 は両群で同様であった。

・著者らの解析から、全身麻酔後のレミマゾラム群の回復の質はプロポフォール群と同様であり、有害事象の発生率はレミマゾラム群で低かった。潜在的な麻酔薬として、レミマゾラムは手術の全身麻酔にプロポフォールの代わりに使用できる。

レミマゾラムの方が、低血圧、徐脈、注入時痛が少ない。でも、高価だ。

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