■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2024/09/06
【問題1】(出血と輸血) 正しいのはどれか? | ア:慢性出血性貧血で全身状態が良好な場合は、ヘモグロビン(Hb)値6g/dL 以下が輸血適応の一つの目安となる。 イ:生後4か月以内の乳児では、ABO血液型はオモテ検査のみの判定でよい。 ウ:アルブミン製剤は体内でアミノ酸に代謝され、その多くが蛋白合成に役立てられる。 エ:緊急時の輸血では、採血不可能な場合には出血した血液を検査に利用しても良い。 オ:照射後の赤血球(全血を含む)では上清中のカリウムイオンが上昇する。 |
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[解説] ○:慢性出血性貧血で全身状態が良好な場合は、ヘモグロビン(Hb)値6g/dL 以下が輸血適応の一つの目安となる。
○:生後4か月以内の乳児では、母親由来の移行抗体があることや血清中の抗A及び抗B抗体の産生が不十分であることから、ABO血液型はオモテ検査のみの判定でよい。
×:アルブミン製剤は体内で代謝され、多くは熱源となり、蛋白合成にはほとんど役に立たない。
○:緊急時の輸血では、採血不可能な場合には出血した血液を検査に利用しても良い。
○:照射後の赤血球(全血を含む)では上清中のカリウムイオンが上昇する。保存血のカリウムイオンは上昇するが、照射血では白血球崩壊のためにさらに上昇する。
[正解] 解説を参照 [出典] 「輸血療法の実施に関する指針」「血液製剤の使用指針」
【問題2】(肝・腎・消化管) 次の利尿剤のうち、副作用として麻痺性イレウスに注意すべき薬物はどれか? | 1) フロセミド 3) スピロノラクトン 5) アミノフィリン | 2) マンニトール 4) ドーパミン |
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[解説] 利尿作用のある各種の薬物の中でドーパミンでは麻痺性イレウスに、マンニトールでは尿細管障害に、スピロノラクトンでは、代謝性アシドーシスと高カリウム血症に、フロセミドでは代謝性アルカローシス、低カリウム血症・低ナトリウム血症・低クロル血症に、アミノフィリンでは中枢神経興奮に注意すべきである。
[正解] 4 [出典] 危機管理P146
【問題3】(中枢神経) Queckenstedt徴候陰性とは両側頚静脈を圧迫したときに10秒以内に髄液圧が何センチメートル以上上昇する場合をいうか? | 1) 6cmH2O 4) 15cmH2O | 2) 3cmH2O 5) 20cmH2O | 3) 10cmH2O |
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[解説] Queckenstedt徴候陽性とはクモ膜下腔の閉塞を意味するもの.Queckenstedt徴候陰性とは両側頚静脈を圧迫したときに10秒以内に髄液圧が10センチメートル以上上昇する場合で、クモ膜下腔の閉塞がないことを意味する。腰椎穿刺を行なった際、脊柱管内のくも膜下腔が閉塞していると頚静脈を圧迫しても腰椎穿刺圧は上昇しない。ブロックがない場合は頚静脈を圧迫すると、鬱血のために頭蓋内圧が上昇し、上昇した圧は、くも膜下腔を通って速やかに腰椎部に伝わり、腰椎穿刺圧が即時に上昇し、圧迫を除けば速やかに下降する。ブロックが完全であれば頚部の圧迫によっても腰椎穿刺圧は全く上昇しない。不完全ブロックであれば、圧の上昇・下降の速度と程度が著しく鈍くなる。
[正解] 3 [出典] 緊急処置マニュアルP130
【問題4】(心臓・血管) 心電図上逆行性P波を認めるのはどれか? | 1) 心房頻拍 3) 心房粗動 5) 房室回帰性頻拍 | 2) 房室結節回帰性頻拍 4) 心房細動 |
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[解説] 房室回帰性頻拍では、心電図上逆行性P波を認めることがある。
[正解] 5 [出典] 救急医療実践ハンドブックP76
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