■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2024/09/09
【問題1】(呼吸) 成人の安静時の分時換気量は、体重あたりどれくらか? | 1) 200ml/kg 3) 80ml/kg 5) 100ml/kg | 2) 60ml/kg 4) 150ml/kg |
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[解説] 成人の安静時1回換気量は7ml/kg、1分間の呼吸回数は15回、従って、分時換気量は100ml/kg程度である。
[正解] 5 [出典] 新版・人工呼吸器の使い方P236
【問題2】(心臓・血管) ヘパリンの拮抗には何を使用するか? | 1) トラネキサム酸 3) 新鮮凍結血漿 5) ビタミンC | 2) ビタミンK 4) プロタミン |
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[解説] ヘパリンの拮抗にはプロタミンをほぼ等量使用する。ワーファリンの拮抗にはビタミンK(50〜100mg、K2なら20〜30mg、4〜8時間で回復)や新鮮凍結血漿を使用する。
[正解] 4 [出典] 内科レジデントマニュアルP153
【問題3】(心臓・血管) アナフィラキシー・ショックを惹起する直接抗原となり得るのはどれか? | 1) スキサメトニウム 3) デキストラン 5) チオペンタール | 2) モルヒネ 4) エステル型局所麻酔剤 |
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[解説] 選択肢のすべての薬剤がアナフィラキシー(様反応)を起こす。筋弛緩薬は3価、4価のアンモニア基をもっておりIgEの架橋を起こしやすい。スキサメトニウムによるものの報告が半分で、ツボクラリンやアトラクリウムは直接肥満細胞からヒスタミンを遊離する。オピオイドではモルヒネ、メペリジンが直接肥満細胞からヒスタミンを放出する。代用血漿のデキストランやヒドロキシエチルデンプンは大型分子であるので麻酔関連薬で唯一直接抗原となり得る。抗生物質はハプテンとして働きペニシリンの報告が一番多く、次がセファロスポリン系である。バンコマイシンは直接ヒスタミンを遊離する。
[正解] 3 [出典] 臨床麻酔のコツと落とし穴part2p144
【問題4】(心臓・血管) ACC/AHAガイドラインによる非心臓手術後の周術期心筋梗塞の危険因子について、 | ア:非代償性うっ血性心不全は重度危険因子である。 イ:糖尿病は軽度危険因子である。 ウ:左室肥大は軽度危険因子である。 エ:右脚ブロックは軽度危険因子である。 オ:心房細動は軽度危険因子である。 |
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[解説] ア:○:非代償性うっ血性心不全は重度危険因子である。代償性うっ血性心不全またはその既往は、中等度危険因子である。
イ:×:糖尿病、心筋梗塞の既往は中等度危険因子である。
ウ:○:左室肥大、非特異的ST-T変化、左脚ブロックなどの心電図異常はは軽度危険因子である。
エ:×:左脚ブロックは軽度危険因子である。右脚ブロックは危険因子とはならない。右脚は細くて長いのでブロックが起こりやすく、健常人でもしばしば認められる。これに対し、左脚ブロックは太くて短いので、重大な心疾患を患った可能性がある。
オ:○:心房細動など非洞調律は軽度危険因子である。
[正解] 解説を参照 [出典] 麻酔科シークレット第2版 p237-242
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