■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2024/09/11

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【問題1】(麻酔科学用語) 以下の略語のフルスペルと意味を答えよ。
(1) FEV1.0 (2) CPR (3) MR (4) VAG (5) ADL

[解答]
(1)forced expiratory volume in one second:1秒量
(2)cardiopulmonary resuscitation:心肺蘇生
(3)mitral regurgitation:僧帽弁閉鎖不全
(4)vertebral angiography:椎骨動脈撮影法
(5)activities of daily living:日常生活能/日常生活活動性



[出典] 麻酔科学用語集 第3版



【問題2】(麻酔薬) オピオイドについて正しいのはどれか?

ア:オピオイドによる胆管攣縮はナロキソンでは拮抗できない。

イ:モルヒネは臨床使用量で陰性変力作用を示す。

ウ:モルヒネはヒスタミンを遊離する。

エ:脊柱管内投与された脂溶性オピオイドは、容易に局所血管で吸収される。

オ:メペリジンは臨床使用量で陰性変力作用を示す。


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[解説] ×:オピオイドによる胆管攣縮は、ナロキソンで拮抗できる他、グルカゴン、ニトログリセリン、アトロピンで治療できる。
×:オピオイドは一般に、心臓に影響を与えない。そのため、心臓手術には大量モルヒネや大量フェンタニルと言った麻酔法が長く使用された歴史がある。
○:モルヒネ、コデイン、メペリジンはヒスタミンを遊離し血管拡張と血圧低下を引き起こす。
○:脊柱管内投与された脂溶性オピオイドは、容易に局所血管で吸収されて、血中濃度が急速に高まり、筋注や静注と同様の副作用を起こしうる。
○:メペリジンは臨床使用量で陰性変力作用を唯一のオピオイドである。



[正解] 解説を参照 [出典] 麻酔科シークレット第2版 p72-77



【問題3】(外傷・出血・感染) 熱傷に使用する抗生物質含有軟膏は、耐性菌の出現から1製剤の連続使用限界はどれくらいとするべきか?
1) 1ヶ月 2) 3週間 3) 1週間 4) 3日 5) 2週間

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[解説] 熱傷の局所外用剤としては、抗生物質含有軟膏、シルバーサルファダイアジン、0.5%硝酸銀水溶液、10%ポピドンヨードゲルなどが使用されている。抗生物質含有軟膏は種々のものが使用されているが、基剤をワセリンに求めたものが多い。ワセリン基剤の軟膏は創面に対する刺激性は少ないが、浸透性が弱いため、比較的浅い熱傷創面やすでに焼痂切除された潰瘍面が良い適応になる。1%erythromycin軟膏や0.1%gentamicin軟膏、2%chloramphenicol軟膏などがよく用いられる。しかし抗生物質含有軟膏の使用は、耐性菌の出現から1製剤の連続使用限界は3週間を限度とする。


[正解] 2 [出典] 緊急処置マニュアルP356





【問題4】(呼吸) 左主気管支から上葉気管支が分枝するまでの距離はどれくらいか?
1) 5cm
4) 3.5cm
2) 1.5cm
5) 1cm以下
3) 2.5cm


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[解説] 右主気管支の分岐角度は約25度で、上葉気管支分枝までの距離は約2.5cm、左主気管支の分岐角度は約50度で、上葉気管支が分枝するまでの距離は約5cmである。


[正解] 1 [出典] クリティカル記憶術1p29

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