小児の四肢損傷に対する疼痛軽減に対するケタミン経鼻投与とフェンタニル経鼻投与の効果:PRIME無作為化臨床試験

小児の骨折2.png・救急外来を受診した小児の外傷に対しては、迅速な鎮痛が重要であるが、疼痛コントロールの努力はしばしば不十分である。鎮痛剤の経鼻投与は、最小限の不快感で迅速な鎮痛を提供する。オピオイドは歴史的に外傷による重大な疼痛に使用されてきたが、副作用が問題であった。ケタミンの経鼻投与は効果的な代替手段となりうる。本研究の目的は、急性四肢損傷を呈した小児において、ケタミン経鼻投与がフェンタニル経鼻投与よりも疼痛軽減効果が劣らないかどうかを判定することであった。

・PRIME(Pain Reduction With Intranasal Medications for Extremity Injuries)試験は、小児の三次レベル 1 外傷センターにおける二重盲検無作為化対照薬非劣性試験であった。参加者は、2016 年 3 月〜 2017 年 2 月に外傷性四肢損傷による中等度〜重度の疼痛で救急部を受診した年齢 8〜17 歳の小児であった。解析は治療器と解析とし、2017年5月に開始した。被検者には、ケタミン経鼻投与(1.5mg/kg)またはフェンタニル経鼻投与(2μg/kg)を行い、主要評価項目は介入 30 分後の視覚アナログ疼痛スコアの減少であった。このアウトカムの非劣性マージンは 10 とした。

・登録された 90 人の小児のうち、45 人(50%)がケタミン(平均[SD]年齢、11.8[2.6]歳;男児 26人[59%])に、45 人(50%)がフェンタニル(平均[SD]年齢、12.2[2.3]歳;男児31人[74%])に割り付けられた。投薬 30 分後の視覚アナログ尺度の平均減少量は、ケタミンで 30.6mm(95%CI、25.4-35.8)、フェンタニルで 31.9mm(95%CI、26.6-37.2)であった。非劣性マージン未満の群間差の片側検定に基づくと、CI は 0 を越えたが事前に設定された非劣性マージンを越えなかったため、疼痛軽減に関してケタミンはフェンタニルに対して非劣性であった(群間平均疼痛軽減の差、1.3;90%CI、-6.2〜8.7)。有害事象のリスクはケタミン群で高かったが(相対リスク、2.5;95%CI、1.5〜4.0)、全事象は軽微で一過性のものであった。レスキュー鎮痛は群間で同程度であった(相対リスク、0.89;95%CI、0.5-1.6)。

ケタミンはフェンタニルに劣らない効果的な鎮痛を提供するが、ケタミンを投与された参加者は軽微で一過性の有害事象を増加させた。ケタミン経鼻投与は、急性四肢損傷に伴う疼痛に対するフェンタニル経鼻投与の適切な代替となりうる。ケタミンは、特にオピオイドがリスク増大と関連する場合に、救急環境における小児の疼痛管理に考慮すべきである。

救急外来での小児の整形外科的処置には、ケタミンの経鼻投与(1.5mg/kg)も有用なようだ。

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