整形外科手術を受ける成人患者で声門上気道器具を使用した麻酔導入時のロクロニウム使用頻度:後ろ向き分析

ラリマ.png・ 筋弛緩薬(NMBA)は、声門上器具(SGA)を使用している患者の全身麻酔導入時には通常必要ない。本研究では、SGA を用いて全身麻酔を受ける成人患者におけるロクロニウムの使用頻度を評価した。

・2022 年 9 月から 2023 年 8 月にかけて、SGA を用いて整形外科手術を受けた成人患者(年齢 19 歳以上)の診療記録を後ろ向きに調査した。麻酔導入時のロクロニウム使用頻度を麻酔導入薬別に解析した。麻酔中のロクロニウム使用の関連を、人口統計学的因子(年齢、性別、身長、体重)、手術因子(手術時間)、麻酔因子(前投薬、麻酔薬、麻酔時間)の観点から分析した。

・合計 321 例が登録された。麻酔導入時のロクロニウム使用発生率は 28.3% であった。サブ群解析では、プロポフォール(PPF)とレミフェンタニルを用いた全静脈麻酔(TIVA)を受けた患者の発生率は、他の麻酔薬投与群に比べて著しく低かった(14.4%)。前投薬または短い麻酔時間は、ロクロニウム使用の低い発生率と関連していた。人口統計学的因子およびその他の麻酔因子は、麻酔中のロクロニウム使用頻度に影響を及ぼさなかったようである。

SGA を用いた麻酔導入時のロクロニウム使用頻度は、レミマゾラム-TIVA または吸入麻酔を用いた場合と比較して、PPF-TIVA を用いた場合は有意に低かった。ミダゾラムによる前投薬と短い手術時間は、ロクロニウム使用率の有意な低下と関連していた。

個人的には、SGA 使用時にロクロニウムを使用したことがあるのは、人工呼吸を前提とした麻酔の場合だけだな。

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