腹腔鏡下胆嚢摘出術を受けた患者の術後肩痛に対する肺リクルートメント操作の効果:無作為化比較試験

肺加圧操作3.png・肺リクルートメント操作(LRM)は腹腔鏡手術後の術後疼痛を軽減することが示されている。本研究では、LRM と腹腔鏡下胆嚢摘出術後の肩痛発生率との関連を検討することを目的とした。

・2022 年 7 月から 2023 年 3 月までに待機的腹腔鏡下胆嚢摘出術を受けた患者 110 例を対象に無作為化比較試験を実施した。参加者は、ルーチンの胆嚢摘出術術を受ける群と、気腹解除時に LRM を受ける群に無作為に割り付けられた。術後の肩痛と腹痛は、術後 1、4、6、12、24 時間に数値評価スケールを用いて評価した。術後 24 時間の鎮痛剤使用量と術後悪心嘔吐(PONV)を評価した。

術後 24 時間の肩痛の発生率は、対照群と比較して LRM 群で有意に低かった(26.9 vs. 59.3%、P=0.001)。最悪の肩痛のスコアの中央値[四分位範囲]は、対照群と比較して有意に低かった(3[2-3] vs 4[3-5.5];P=0.003)。LRM 群の参加者は、術後 4 時間と 24 時間の安静時の腹痛が減少し、術後 24 時間以上の全時点において、離床時の腹痛の強さが有意に低かった。オピオイド消費量量や PONV の発生率に群間で有意差はなかった。

LRM は、腹腔鏡下胆嚢摘出術後 24 時間の肩痛の発生率と強度の両方を減少させる。さらに、LRM は、試験期間中の移動中の腹痛の強さの軽減と関連していた。

ラパコレの気腹解除後には、ルーチンに肺加圧操作を行うべし。

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