■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2024/09/24

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【問題1】(胸部手術の麻酔) 肺血管抵抗を上昇させるのはどれか。
ア:低酸素症
ウ:アシドーシス
イ:高二酸化炭素症
エ:低体温

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[解説] いずれも肺血管抵抗を上昇させる。そのほか、高い気道内圧、α刺激薬投与などでも肺血管抵抗は上昇する。


[正解] (全て) [出典] 麻酔科クリニカル問題集



【問題2】(モニター) カプノグラフィについて正しいのはどれか?

ア:心停止や大量の肺塞栓では、カプノグラムの波形の突然の消失がみられる。

イ:食道挿管で二酸化炭素の呼出を検出することはありえない。

ウ:重炭酸の静脈内投与では、呼気二酸化炭素濃度の一時的な上昇がみられる。

エ:低体温では、呼気二酸化炭素濃度の低下がみられる。

オ:大血管の血流遮断解除時には、呼気二酸化炭素濃度の一時的な上昇がみられる。


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[解説] ア:○:心停止や大量の肺塞栓など重篤な生理学的異常では、カプノグラムの波形の突然の消失がみられる。
イ:×:食道挿管でも二酸化炭素の呼出を検出することはあうる。炭酸系の飲み物や内服薬では、食道挿管後にCO2を排出する。マスク換気が適切でない場合にも、CO2が胃に流入することがある。
ウ:○:オ:○:重炭酸の静脈内投与、四肢のターニケットの解除、大血管の血流遮断解除などでは、呼気二酸化炭素濃度の一時的な上昇がみられる。
エ:○:低体温では、呼気二酸化炭素濃度の低下がみられる。



[正解] 解説を参照 [出典] 麻酔科シークレット第2版 p171-175



【問題3】(心臓・血管) 冠動脈閉塞後の心筋梗塞の範囲は、(  )で心内膜側に発生する。
1) 3時間 2) 1時間 3) 3分 4) 30分 5) 6時間

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[解説] 冠動脈閉塞後の心筋梗塞の範囲は,30分で心内膜側に発生し,3時間で50%,12時間で貫壁性となる。
1)このように心内膜側から壊死巣が時間とともに次第に外側に広がり,貫壁性梗塞が完成する様子を wave front phenomenonという.
2)この実験モデルの結果はわかりやすいが,実際には再灌流,側副血行路などさまざまな要因で修飾されるので,臨床像は個々の患者で異なる.
3)再灌流療法の結果を大きく左右する要因の一つは,閉塞から再灌流までの時間である.壊死しつつある心筋を少しでも多く救うためには,閉塞後 3時間以内に再灌流を行うことが望ましい.



[正解] 4 [出典] 知っているつもりの内科レジデントの常識非常識 第3章 378の常識 循環器編




【問題4】(麻酔科学用語) 以下の略語のフルスペルと意味を答えよ。
(1) SpO2 (2) MMR (3) ACT (4) PCWP (5) LVESV

[解答]
(1)oxygen saturation of peripheral artery:末梢動脈血酸素飽和度
(2)maximal metabolic rate:最大代謝率
(3)activated coagulation time:活性凝固時間
(4)pulmonary capillary wedge pressure:肺動脈楔入圧/肺毛細管楔入圧
(5)left ventricular end-systolic volume:左室収縮終期容積



[出典] 麻酔科学用語集 第3版

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