■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2024/10/02

【問題1】(代謝・内分泌) プレドニゾロンの血中半減期はどれくらいか? | 1) 50分 4) 300分 | 2) 100分 5) 500分 | 3) 200分 |
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[解説] プレドニゾロンの血中半減期=200分、生物学的半減期=20時間、作用力価はハイドロコートンの5倍である。1錠(5mg)が成人1日のステロイド分泌量に相当する。したがってプレドニン1日1錠でほぼ生理的維持が可能である。
[正解] 3 [出典] クリティカル記憶術1P164
【問題2】(代謝) 周術期の肝障害について正しいものはどれか? | ア:急性尿細管壊死は、尿比重<1010となる。 イ:肝硬変患者では、混合静脈血の酸素飽和度は健常人よりも低くなる。 ウ:血腫の吸収では非抱合型ビリルビンが増加する。 エ:肝硬変患者では、低換気による高二酸化炭素血症と低酸素血症が認められる。 オ:抱合型ビリルビンの増加は、赤血球や赤血球前駆細胞の寿命の変化に関連して起こる。 |
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[解説] ア:×:急性尿細管壊死では、尿比重>1010となる。他方、肝腎症候群では、尿比重=1010〜1015となる。
イ:×:肝硬変患者では、血管拡張によって循環血漿量が増え、末梢の血流量も増加する。末梢で血流シャントが増加するために、動静脈の酸素含量格差が減少する。その結果として混合静脈血の酸素飽和度は健常人よりも高くなる。
ウ:○:血腫の吸収、溶血、酵素欠損症では非抱合型ビリルビンが増加する。
エ:×:肝硬変患者では、代償性過換気を伴う低酸素血症が認められる。
オ:×:非抱合型ビリルビンの増加は、赤血球や赤血球前駆細胞の寿命の変化に関連して起こる。高抱合型ビリルビン血症は肝胆道系の障害を意味している。
[正解] 解説を参照 [出典] 麻酔科シークレット第2版 p305-311
【問題3】(中枢神経) テント切痕ヘルニアとは、側頭葉内側下面の海馬、鈎などがテント切痕から脱出してどこを圧迫することか? | ||||
1) 視床下部 | 2) 中脳 | 3) 視床 | 4) 橋 | 5) 延髄 |
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[解説] テント切痕ヘルニア:側頭葉内側下面の海馬、鈎などがテント切痕から脱出して中脳を圧迫する。症状:頭痛・嘔吐の増悪、意識障害、瞳孔不同(〜動眼神経圧迫による)、片麻痺(ヘルニアにより大脳脚が圧迫されるため増悪する)、除脳硬直(中脳圧迫による上位中枢からの筋緊張抑制の解除)
[正解] 2 [出典] クリティカル記憶術2P25
【問題4】(外傷・出血・感染) 成人のretropharyngeal space の正常値は何ミリ以下か? | 1) 7mm以下 3) 12mm以下 5) 5mm以下 | 2) 10mm以下 4) 22mm以下 |
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[解説] 頚椎側面のX線写真で、椎体前面軟部組織陰影の正常像として、成人のretropharyngeal space ≦7mm、retrotracheal space ≦22mm。小児ではretropharyngeal space ≦7mm、retrotracheal space ≦14mm。
[正解] 1 [出典] 研修医当直御法度p129、救急認定医診療指診P350
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