ラリンジアルマスク挿入における標準法と 30°湾曲舌圧子補助法の比較:無作為化比較試験

湾曲舌圧子.png・ラリンジアルマスク(LMA)が気道管理に使用されるようになってきているが、LMA の挿入は困難であり、副作用を引き起こすことがある。したがって、LMA の迅速で安全かつ効果的な挿入が必要である。本研究では、LMA 挿入における標準手技と 30°湾曲舌圧子補助手技の有効性を比較し、より優れた手技を調査することを目的とした。

・本研究では、全身麻酔を予定していた年齢 18〜70 歳の患者 154 人(ASA クラスⅠ・Ⅱ)を対象とした。患者は標準的な LMA 挿入群(C 群、n=77)と 30°湾曲舌圧子補助 LMA 挿入群(T 群、n=77)に無作為に割り付けられた。主要評価項目は 1 回目の成功率であった。副次評価項目は、2 回目の成功率、挿入時間、ファイバー体位グレード、口腔咽頭リーク圧(OPLP)、有害事象であった。

1 回目の成功率は T 群で C 群より有意に高かった(97.40% vs 88.31%、P=0.029)。2 回目の成功率(P=0.209)、挿入時間(P=0.340)、ファイバー体位グレード(P=0.872)、OPLP(P=0.203)は T 群でわずかに改善したが、統計学的有意差はなかった。出血イベントはT群で C 群より減少した(6.49% vs 14.29%)が、統計学的有意差はなかった。咽頭痛の発現率は C 群より T 群で有意に減少した(5.19% vs 15.58%、P = 0.035)。

湾曲舌圧子補助法は、LMA 挿入の初回成功率を有意に改善し、咽頭痛症状の発生率を減少させた。

わざわざ LMA 以外の舌圧子を口の中に入れるのは、本当は避けたいが・・・・、その方が合併症が少ないのであれば使う価値はあるのかもしれないな。

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