小児患者における麻酔導入手技の違いによる無気肺の肺超音波評価:傾向スコアマッチ観察研究
・無気肺は全身麻酔を受ける小児患者における合併症としてよく知られている。その発生率は手術手技や麻酔法によって大きく異なる。静脈穿刺の不快感を避けるために一般的に用いられる吸入導入は、静脈内導入と比較して無気肺を含む呼吸器合併症の発生率が高いことが疑われている。本研究では、小児患者における無気肺形成に対する吸入麻酔導入と静脈内麻酔導入の影響を、肺超音波(LUS)により評価することを目的とした。
・この傾向スコアマッチ観察研究は、イタリア、ミラノの 3 次小児病院で実施された。包含基準は、全身麻酔による待機的手術を受けた年齢 18 歳以下の小児とした。患者は吸入導入群と静脈内導入群に分けられた。麻酔導入前後にLUSを行い、肺の通気性を評価した。主要評価項目は導入後の全体的な LUS スコアとし、副次的主要評価項目は無気肺の発生率と分布とした。
・対象患者 326 例のうち、65% が吸入導入、35% が静脈内導入であった。グローバル LUS スコアは吸入群で有意に高かった(12.0 vs 4.0、p<0.001)。傾向スコアマッチング(年齢、上気道感染の有無、導入期間、導入時の PEEP 値)後、マスク導入の平均治療効果(ATE)は、LUS グローバルスコアで 5.89 点(95%CI、3.21-8.58;p<0.001)、無気肺の係数は 0.35(OR 1.41)であった。
・吸入導入は、臨床的に関連する共変量で調整した場合にも、小児患者における無気肺の高い発生率と関連していた。
・この傾向スコアマッチ観察研究は、イタリア、ミラノの 3 次小児病院で実施された。包含基準は、全身麻酔による待機的手術を受けた年齢 18 歳以下の小児とした。患者は吸入導入群と静脈内導入群に分けられた。麻酔導入前後にLUSを行い、肺の通気性を評価した。主要評価項目は導入後の全体的な LUS スコアとし、副次的主要評価項目は無気肺の発生率と分布とした。
・対象患者 326 例のうち、65% が吸入導入、35% が静脈内導入であった。グローバル LUS スコアは吸入群で有意に高かった(12.0 vs 4.0、p<0.001)。傾向スコアマッチング(年齢、上気道感染の有無、導入期間、導入時の PEEP 値)後、マスク導入の平均治療効果(ATE)は、LUS グローバルスコアで 5.89 点(95%CI、3.21-8.58;p<0.001)、無気肺の係数は 0.35(OR 1.41)であった。
・吸入導入は、臨床的に関連する共変量で調整した場合にも、小児患者における無気肺の高い発生率と関連していた。
ひこ
吸入導入は、静脈導入よりも、無気肺の発生率が高いようだ。吸入麻酔の場合には、抜管前にしっかり肺加圧をした方が良いのかな。
【出典】
Lung ultrasound assessment of atelectasis following different anesthesia induction techniques in pediatric patients: a propensity score-matched, observational study
J Anesth Analg Crit Care. 2024 Oct 5;4(1):69.
Lung ultrasound assessment of atelectasis following different anesthesia induction techniques in pediatric patients: a propensity score-matched, observational study
J Anesth Analg Crit Care. 2024 Oct 5;4(1):69.
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