■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2024/10/22
【問題1】(麻酔薬) 局所麻酔薬について正しいのはどれか? | ア:局所麻酔薬はエーテル型とアミド型に分類される。 イ:局所麻酔薬はタンパク結合性が高いほど作用時間が長い。 ウ:アミド型局所麻酔薬は芳香環とアミンがアミド結合している。 エ:ロピバカインはアミド型局所麻酔薬である。 オ:一般に局所麻酔薬が神経に作用すると、遠位側の組織から近位側の組織に向けて麻酔域が広がる。 |
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[解説] ア:×:局所麻酔薬はエステル型とアミド型に分類される。
イ:○:局所麻酔薬はタンパク結合性が高いほど作用時間が長い。脂溶性が高いほど力価が高い。
ウ:○:アミド型局所麻酔薬は芳香環とアミンがアミド結合している。
エ:○:ロピバカインはアミド型局所麻酔薬である。他のアミド型局所麻酔薬には、リドカイン、メピバカイン、ブピバカインがある。
オ:×:一般に局所麻酔薬が神経に作用すると、近位側の組織から遠位側の組織に向けて麻酔域が広がる。これは、麻酔薬が神経束の外側から内側へと浸潤していく一方で、神経束の外側の神経は近位側の組織を支配しており、内側の神経は遠位側の神経を支配しているからである。
[正解] 解説を参照 [出典] 麻酔科シークレット第2版 p95-100
【問題2】(中枢神経) 前庭反射(カロリック・テスト)の求心路は( )であり、遠心路は( )神経である。 | 1) 前庭神経、動眼+滑車+外転 3) 前庭神経、動眼+滑車 5) 蝸牛神経、動眼 | 2) 前庭神経、動眼 4) 蝸牛神経、動眼+滑車 |
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[解説] 前庭反射(カロリック・テスト)の求心路は前庭神経であり、遠心路は動眼神経、滑車神経、外転神経である。
[正解] 1 [出典] 救急認定医診療指診P253
【問題3】(心臓・血管) 上室性不整脈に使用する次の抗不整脈薬の中で気管支喘息患者に投与禁忌であるのはどれか? | 1) リスモダン 4) ジゴキシン | 2) ATP 5) ワソラン | 3) アミサリン |
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[解説] ATP(アデホス):10〜20mg急速静注する。即効性であるが投与時胸部不快感や洞停止を伴うことが多い。半減期が短く血中濃度が1〜2分で急速に低下するため繰り返し投与できる。ただし、迷走神経緊張のために喘息発作を誘発することがあるので気管支喘息の患者に禁忌である。
[正解] 2 [出典] 研修医ノートP650
【問題4】(溺水・中毒・体温) 高温環境によって発生する障害のうち最も重症で多臓器不全を惹起するものはどれか? | ||||
1) 熱射病 | 2) 熱痙攣 | 3) 熱疲労 | 4) 熱中症 | 5) 日射病 |
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[解説] 熱射病:熱産生の増加に放熱が追い付かず、うつ熱状態となって体温調節機能が破綻し高体温による細胞障害のために多臓器不全を惹起する。41.5度以上になると細胞のミトコンドリアは障害され、42〜43度の高熱が数分以上続くと細胞障害は不可逆的となる。なお、熱射病に類似した病態を呈する疾患に、麻酔時に起こる悪性高熱症や向精神薬の中断時に起こる悪性症侯群があり、本症との関連性が注目されている。
[正解] 1 [出典] 救急認定医診療指診P454
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