鼻の手術を受ける患者における覚醒時興奮の予防のための薬理学的および非薬理学的介入：系統的レビューおよびネットワークメタ分析

・覚醒時興奮は鼻の術後によくみられる合併症であり、興奮の増大と傷害のリスクの上昇によって特徴づけられる。尿道カテーテル、気管チューブ、術後疼痛、低年齢などの要因がその発生に寄与している。文献にはさまざまな予防アプローチが報告されているため、ネットワークメタ分析が不可欠である。

・本系統的レビューは、Cochrane Handbook および PRISMA-NMA 基準に従い、ネットワークメタ分析デザインを採用している。包含基準には、鼻の手術における覚醒時興奮を予防するための薬理学的および非薬理学的介入に関する無作為化比較研究を含む。PubMed、Scopus、Embase、Cochrane Library、Web of Science を含む電子検索を言語や日付の制限なく実施した。2 人の独立した査読者が研究を選択し、標準化表を用いてデータ抽出を行った。データ解析とバイアス評価には、ベイズ NMA、MetaInsight ウェブアプリ、Cochrane バイアス・リスク評価ツールを適用した。

・厳密な選択プロセスの結果、2,122 人の患者と 14 種類の介入を包含する 17 件の無作為化比較試験（RCT）が組み入れられた。同定された治療法の中で最も順位が高かったのは、術中のデクスメデトミジン（ボーラスとして 1μg./kg を 10 分間投与し、その後0.4μg./kg./h を投与）、両側鼻毛様体・上顎神経ブロック、ケタミン（0.5mg./kg を手術終了 20 分前に投与）、麻酔導入 40 分前の鼻腔圧迫、気管チューブのカフ上部の吸引であった。

・薬理学的介入と非薬理学的介入の両方が、鼻手術後の覚醒時興奮を緩和する効果的な戦略として浮上し、この患者集団の術後転帰を改善するための貴重な選択肢を臨床家に提供した。

ひこ

デクスメデトミジンは、鎮痛と鎮静の両作用を併せ持つので、覚醒時興奮に最も有効なのかな。

【出典】
Pharmacological and non-pharmacological interventions in patients undergoing nasal surgeries for prevention of emergence agitation: a systematic review and network meta-analysis
Braz J Anesthesiol. 2024 Oct 16:844565.

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