推奨用量のスガマデクス投与後、定量的神経筋モニタリングは必須か?前向き観察研究
・筋弛緩(NMB)に拮抗するためにスガマデクスを使用する際、四連反応比(TOFR)≧0.9 の確認が必要かどうか疑問に思う麻酔科医がいる。本研究では、神経筋モニタリング(NMM)下で推奨用量のスガマデクスを使用することで、さらに NMM を行わなくても完全な回復が得られるかどうかを明らかにすることを目的とした。
・本前向き観察研究では、2023 年 3 月から 5 月の間に全身麻酔下でロボット支援手術を受けた患者 51 例を対象とした。手術終了時にスガマデクスを投与した TOF カウント≧1の場合は 2mg/kg、TOF カウント=0 かつポストテタニックカウント≧1 の場合は 4mg/kg)。NMM は中止され、その後の回復は麻酔科医の判断で行われた。TOFR は麻酔回復室(PACU)入室直後に 2 回測定された。主要評価項目は、PACU 到着時の非正規化 TOFR(nTOFR)<0.9 の発生率であった。副次評価項目は、nTOFR<0.7 または 1.0 の発生率、残存 NMB の症状/徴候(複視、呼吸困難、酸素飽和度低下)、および PACU での回復プロファイルであった。
・PACU 到着時の nTOFR<0.9 の発生率は 5.9%(3/51 例)であった。nTOFR<0.7 の患者はなく、nTOFR<1.0 の患者は 47.1%(24 人)であったが、残存 NMB の臨床症状/徴候を示した患者はいなかった。
・推奨用量のスガマデクスを定性的 NMM 下で投与した場合、PACU 到着時に残存 NMB が頻発し、十分な回復を確保するためには定量的 NMMが必要であることが示された。
・本前向き観察研究では、2023 年 3 月から 5 月の間に全身麻酔下でロボット支援手術を受けた患者 51 例を対象とした。手術終了時にスガマデクスを投与した TOF カウント≧1の場合は 2mg/kg、TOF カウント=0 かつポストテタニックカウント≧1 の場合は 4mg/kg)。NMM は中止され、その後の回復は麻酔科医の判断で行われた。TOFR は麻酔回復室(PACU)入室直後に 2 回測定された。主要評価項目は、PACU 到着時の非正規化 TOFR(nTOFR)<0.9 の発生率であった。副次評価項目は、nTOFR<0.7 または 1.0 の発生率、残存 NMB の症状/徴候(複視、呼吸困難、酸素飽和度低下)、および PACU での回復プロファイルであった。
・PACU 到着時の nTOFR<0.9 の発生率は 5.9%(3/51 例)であった。nTOFR<0.7 の患者はなく、nTOFR<1.0 の患者は 47.1%(24 人)であったが、残存 NMB の臨床症状/徴候を示した患者はいなかった。
・推奨用量のスガマデクスを定性的 NMM 下で投与した場合、PACU 到着時に残存 NMB が頻発し、十分な回復を確保するためには定量的 NMMが必要であることが示された。
ひこ
スガマデクスがなかった頃に比べると、残存筋弛緩は格段に減少しているだろう。スガマデクス投与後も、TOF 比が十分改善することを確認した方が良いのは当然だ。
【出典】
Is Quantitative Neuromuscular Monitoring Mandatory after Administration of the Recommended Dose of Sugammadex? A Prospective Observational Study
Anaesth Crit Care Pain Med. 2024 Oct 15:101445.
Is Quantitative Neuromuscular Monitoring Mandatory after Administration of the Recommended Dose of Sugammadex? A Prospective Observational Study
Anaesth Crit Care Pain Med. 2024 Oct 15:101445.
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