■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2024/10/23

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【問題1】(モニター) カプノグラフィについて正しいのはどれか?

ア:心停止や大量の肺塞栓では、カプノグラムの波形の突然の消失がみられる。

イ:食道挿管で二酸化炭素の呼出を検出することはありえない。

ウ:重炭酸の静脈内投与では、呼気二酸化炭素濃度の一時的な上昇がみられる。

エ:低体温では、呼気二酸化炭素濃度の低下がみられる。

オ:大血管の血流遮断解除時には、呼気二酸化炭素濃度の一時的な上昇がみられる。


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[解説] ア:○:心停止や大量の肺塞栓など重篤な生理学的異常では、カプノグラムの波形の突然の消失がみられる。
イ:×:食道挿管でも二酸化炭素の呼出を検出することはあうる。炭酸系の飲み物や内服薬では、食道挿管後にCO2を排出する。マスク換気が適切でない場合にも、CO2が胃に流入することがある。
ウ:○:オ:○:重炭酸の静脈内投与、四肢のターニケットの解除、大血管の血流遮断解除などでは、呼気二酸化炭素濃度の一時的な上昇がみられる。
エ:○:低体温では、呼気二酸化炭素濃度の低下がみられる。



[正解] 解説を参照 [出典] 麻酔科シークレット第2版 p171-175



【問題2】(麻酔の歴史) 次の組み合わせで正しいのはどれか。

ア:エーテル麻酔深度表−−−A.E.Guedel(1920)

イ:笑気麻酔−−−W.T.G. Morton(1846)

ウ:エーテル麻酔−−−J. Snow(1847)

エ:ハロセン麻酔−−−M. Johnstone(1956)

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[解説] Guedelは、1920年エーテル麻酔の臨床的徴候について発表し麻酔深度の単純な指針を与えた。1845年、H.Wellsが笑気の公開実験に失敗している。1846年、W.T.G.Mortonがエーテルの公開実験に成功している。1847年J.Snowはエーテル吸入器を発明し、本を書いている。1956年、M.Johnstoneがハロセンを臨床例に使用している。


[正解] (ア)、(ウ)、(エ) [出典] 第28回麻酔指導医認定筆記試験:B17



【問題3】(神経生理) Caイオンが関与している現象はどれか。

ア:神経終末よりのアセチルコリン放出

イ:筋膜表面の信号伝達

ウ:T管内の信号伝達

エ:T管から筋小胞体への信号伝達

オ:アクチン、ミオシンのスライディング


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[解説] 神経軸索を伝わってきた活動電位はシナプス前神経終末に達し、脱分極を起こす→シナプス神経終末のカルシウムチャネルが脱分極により活性化され開く→Caイオンが電気化学的勾配により細胞外より神経終末に流入する→Caイオンの流入により、伝達物質放出の可能性が一過性に上昇する→アセチルコリンのquantal packetがシナプス間隙に放出される。筋収縮はミオシン筋糸とアクシン筋糸がスライドして行くことによって起こるが、この時両者の長さは不変である。筋収縮は筋糸周辺の遊離Caイオン濃度により調節されており、低濃度で弛緩、高濃度で収縮する。


[正解] (ア)、(オ) [出典] 第33回麻酔指導医認定筆記試験:A29


【トラブル・シューティング】〜麻酔緊急Vol.1p208

(麻酔関連機器)『超低流量麻酔には最短で最少容積の呼吸回路と最小麻酔バッグを!−時定数を小さくするために−』

※なぜ、この「麻酔緊急」というタイトルの本に、このうような1編が掲載されたのか不思議。




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