冠動脈バイパス術を受けた患者の術後腎機能に対するマンニトールの効果:二重盲検無作為化比較試験
・浸透圧利尿液であるマンニトールは人工心肺術(CPB)のプライミングに一般的に使用され、腎機能に影響を及ぼす可能性がある。本研究は冠動脈バイパス術を受ける患者において CPB 中のマンニトール使用が腎機能に及ぼす影響を検討するために行われた。
・本無作為化二重盲検臨床試験では冠動脈バイパス術を受けた患者 90 例を対象とした。対照群(n=45)ではプライミング液に乳酸リンゲルが含まれ、介入群(n=45)ではプライミング液にマンニトール 20% 200ml と乳酸リンゲルが含まれた。P<0.05を有意とした。本研究の主要評価項目は腎機能である。
・人口統計学的特徴および危険因子は2群間で有意差はなかった(P>0.05)。さらに、CPB 時間、大動脈クロスクランプ時間、人工呼吸への接続時間、30 日死亡率、ICU、入院期間についても両群間に統計学的有意差はみられなかった(P>0.05)。さらに、血清クレアチニン値(P=0.53)、BUN値(P=0.13)にも両群間に統計学的有意差は認められなかった。また、利尿率にも両群間に統計学的有意差は認められなかった(P=0.10)。
・本研究により、マンニトールをプライミング液に追加しても、腎機能、人工呼吸への接続期間、ICU 在室期間、30 日死亡率には影響しないことが示された。したがって、マンニトールは心臓手術後の急性腎障害の予防戦略としては使用できないことが示唆される。
・本無作為化二重盲検臨床試験では冠動脈バイパス術を受けた患者 90 例を対象とした。対照群(n=45)ではプライミング液に乳酸リンゲルが含まれ、介入群(n=45)ではプライミング液にマンニトール 20% 200ml と乳酸リンゲルが含まれた。P<0.05を有意とした。本研究の主要評価項目は腎機能である。
・人口統計学的特徴および危険因子は2群間で有意差はなかった(P>0.05)。さらに、CPB 時間、大動脈クロスクランプ時間、人工呼吸への接続時間、30 日死亡率、ICU、入院期間についても両群間に統計学的有意差はみられなかった(P>0.05)。さらに、血清クレアチニン値(P=0.53)、BUN値(P=0.13)にも両群間に統計学的有意差は認められなかった。また、利尿率にも両群間に統計学的有意差は認められなかった(P=0.10)。
・本研究により、マンニトールをプライミング液に追加しても、腎機能、人工呼吸への接続期間、ICU 在室期間、30 日死亡率には影響しないことが示された。したがって、マンニトールは心臓手術後の急性腎障害の予防戦略としては使用できないことが示唆される。
ひこ
人工心肺のプライミング液としてマンニトールを使用しても術後の腎機能には差がないと。
【出典】
The effect of mannitol on postoperative renal function in patients undergoing coronary artery bypass surgery: A double-blinded randomized controlled trial
J Cardiovasc Thorac Res. 2024;16(3):146-151.
The effect of mannitol on postoperative renal function in patients undergoing coronary artery bypass surgery: A double-blinded randomized controlled trial
J Cardiovasc Thorac Res. 2024;16(3):146-151.
対訳テキスト
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