定量的神経筋モニタリングの改善:刺激電極の配置に関する教育の取り組み

筋弛緩モニター3.png・定量的神経筋モニタリングは、残存筋弛緩の発生率を減少させるが、何十年もの間、定量的モニタリングが推奨されているにもかかわらず、モニタリングが広く受け入れられるには至っていない。定量的モニタリングが受け入れられるかどうかは、モニタリングシステムから得られるデータの質に関係していることもある。この評価では、筋電図(EMG)モニタリングのための適切な刺激電極の位置決め、電極の位置決めに対する教育的介入の影響、および装置からのモニタリングデータに対する麻酔提供者(麻酔科医、研修医、麻酔科医)の信頼性を調査した。

・単施設において、55 人の成人待機手術患者を対象に、麻酔担当者による EMG 電極配置の観察が、独立した観察者によって行われた。これとは別に、麻酔科医が筋弛緩を拮抗した後に、EMG から得られたデータに対する満足度を記録した。その後、適切な電極の位置決めに関する教育的介入が行われ、これには電極の位置決めに関する事前の観察、および EMG から得られたデータに対する事前の麻酔科医の満足度が含まれた。介入後、さらに 60 人の患者に対して刺激電極の位置を観察し、そのデータに対する麻酔科医の満足度を再度確認した。

教育的介入により、理想的な尺骨神経溝電極位置の割合が 74.5% から 95% に有意に増加し(P<0.003)、理想的な手首のしわの位置(遠位電極がしわから 2cm 以内)の割合が 61.8% から 96.7% に有意に増加した(P<0.001)。麻酔提供者は、麻酔実施中に EMG から得られた情報に対する信頼度が、教育後に 67% から 90% に増加した(P=0.005)。正しい刺激電極の配置と、筋弛緩状態に関する EMG から得られたデータに対する麻酔提供者の信頼度との間には有意な関係があった。

EMG 電極の位置決めを改善するための教育的介入は有意義であることが証明された。それは、麻酔症例管理中の EMG から得られたデータに対する麻酔科医の信頼性を向上させた。

「筋弛緩モニターって当てにならないな〜」って思ってるあなたは、電極を貼る位置が不適切なのかもね。

対訳テキスト:20241024-2.pdf

この記事へのコメント