分娩鎮痛における硬膜外ロピバカインとレボブピバカインの母体および胎児転帰への影響:メタ分析

アナペインとポプスカイン.png・硬膜外鎮痛剤として使用されている新しい脊髄幹用局所麻酔薬は、陣痛時に確実な鎮痛効果を示すことが示されている。ロピバカインとレボブピバカインは現在無痛分娩に使用されている新しい薬剤である。しかし、ブピバカインと比較した研究はほとんどないにもかかわらず、ロピバカインとレボブピバカインが系統的に比較されたことはほとんどない。そこで今回の解析では、分娩鎮痛における硬膜外ロピバカインとレボブピバカインの母体および胎児転帰への影響を系統的に示すことを目的とした。

http://www.Clinicaltrials: gov、Web of Science、MEDLINE、EMBASE、Cochraneデータベース、Google Scholar を検索し、無痛分娩のためのロピバカインとレボブピバカインの比較研究を行った。母体および胎児の転帰をエンドポイントとした。本研究のデータ解析には RevMan ソフトウェア 5.4 を用いた。リスク比(RR)と 95% 信頼区間(CI)を用いて解析後のデータを表した。

・合計 2062 人の参加者がこの解析に含まれ、1054 人がロピバカインに、1008 人がレボブピバカインに割り付けられた。本解析の主要評価項目は、硬膜外ロピバカインはレボブピバカインと比較して、無痛分娩における低血圧(RR:0.71、95%CI:0.43〜1.17、P=0.18)および掻痒症(RR:1.12、95%CI:0.89〜1.42、P=0.34)の有意な高リスクとは関連していないことを示した。しかし、悪心嘔吐のリスクはロピバカインで有意に高かった(RR:1.60、95%CI:1.05〜2.44;P=0.03)。自然経腟分娩(RR:0.99、95%CI:0.89〜1.42、P=0.83)、器械的経腟分娩(RR:1.13、95%CI:0.89〜1.45、P=0.32)、帝王切開のリスク(RR:0.76、95%CI:0.42〜1.37、P=0.35)に有意差はなかった。胎児の転帰を評価したところ、1 分後のアプガースコア<7(RR:1.01:95%CI:0.57 - 1.80;P=0.97)、胎児心拍数の異常(RR:1.45、95%CI:0.55 - 3.79;P=0.45)、新生児仮死(RR:0.35、95%CI:0.10 - 1.18;P=0.09)も同様に認められた。

・結論として、著者らの解析では、硬膜外ロピバカインもレボブピバカインも、母体および胎児の転帰という点では無痛分娩に同等の効果があることが示された。この解析では、母体および胎児に重大な有害転帰は観察されなかった。しかし、この解析のいくつかの限界を考慮すると、さらに大規模な研究によってこの問題を解決し、明らかにする可能性があるはずである。

分娩鎮痛に際し、ロピバカイン(アナペイン)と、レボブピバカイン(ポプスカイン)は、同等に使用できると。

対訳テキスト:20241025-2.pdf

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