気管チューブのカフ収縮法が婦人科腹腔鏡手術患者のストレス反応と術後咽頭合併症の発生を減少させる
・本研究の目的は、婦人科腹腔鏡手術を受けた患者において、気管チューブのカフ収縮方法が抜管時のストレス反応と術後の咽頭合併症に及ぼす影響を検討することである。
・本研究では、2023 年 6 月から 2024 年 6 月までに西北女子小児病院で全身麻酔下で婦人科腹腔鏡手術を受けた患者 94 例の後ろ向き臨床データを収集し、分析した。患者は麻酔後のカフ収縮方法によって 2 群に分けられた: A 群(45 例)は 1 回で収縮させる方法を採用し、B 群(49 例)は徐々に収縮させる方法を採用した。手術に関連した指標を記録し、心拍数(HR)、平均動脈圧(MAP)、レートプレッシャープロダクト(RPP)、エピネフリン(E)、ノルエピネフリン(NE)、コルチゾール(Cor)の値を、カフ装着前(T0)、抜管直後(T1)、抜管 1 分後(T2)、抜管 5 分後(T3)、抜管 10 分後(T4)の各時点でモニターした。咽頭合併症の発生率も2群間で比較した。
・A 群と比較して、B 群は T1、T2、T3 における HR、MAP、RPP の変動が小さかった(p<0.05)。B 群はまた、T2、T3、T4 における E、NE、Cor 値の変動も A 群に比べて小さかった(p<0.05)。咳嗽、咽頭痛、嗄声などの合併症の発生率は、A 群に比べて B 群で顕著に減少した(6.12% vs 22.22%、p<0.05)。
・気管チューブのカフを徐々に収縮させることは、抜管時のストレス反応を劇的に改善し、血行動態を安定させ、婦人科腹腔鏡手術を受けた患者の咽頭不快感を緩和する。
・本研究では、2023 年 6 月から 2024 年 6 月までに西北女子小児病院で全身麻酔下で婦人科腹腔鏡手術を受けた患者 94 例の後ろ向き臨床データを収集し、分析した。患者は麻酔後のカフ収縮方法によって 2 群に分けられた: A 群(45 例)は 1 回で収縮させる方法を採用し、B 群(49 例)は徐々に収縮させる方法を採用した。手術に関連した指標を記録し、心拍数(HR)、平均動脈圧(MAP)、レートプレッシャープロダクト(RPP)、エピネフリン(E)、ノルエピネフリン(NE)、コルチゾール(Cor)の値を、カフ装着前(T0)、抜管直後(T1)、抜管 1 分後(T2)、抜管 5 分後(T3)、抜管 10 分後(T4)の各時点でモニターした。咽頭合併症の発生率も2群間で比較した。
・A 群と比較して、B 群は T1、T2、T3 における HR、MAP、RPP の変動が小さかった(p<0.05)。B 群はまた、T2、T3、T4 における E、NE、Cor 値の変動も A 群に比べて小さかった(p<0.05)。咳嗽、咽頭痛、嗄声などの合併症の発生率は、A 群に比べて B 群で顕著に減少した(6.12% vs 22.22%、p<0.05)。
・気管チューブのカフを徐々に収縮させることは、抜管時のストレス反応を劇的に改善し、血行動態を安定させ、婦人科腹腔鏡手術を受けた患者の咽頭不快感を緩和する。
ひこ
ちょっと信じがたいけど、ホルモン値まで測定してあるのでそうなんだね。カフ圧は一気に下げるよりも段階的に下げた方がいいということのようだ。
【出典】
Endotracheal Tube Cuff Deflation Methods Reduce Stress Response and Incidence of Postoperative Pharyngeal Complications in Patients Treated with Gynecological Laparoscopic Surgery
Ann Ital Chir. 2024;95(5):801-808.
Endotracheal Tube Cuff Deflation Methods Reduce Stress Response and Incidence of Postoperative Pharyngeal Complications in Patients Treated with Gynecological Laparoscopic Surgery
Ann Ital Chir. 2024;95(5):801-808.
対訳テキスト:20241030-1.pdf
この記事へのコメント
Zhang Z, Li N, Li H, Zhang X, Chen C, Yuan B, Wu H, Yu Y. Decreasing the pressure of endotracheal tube cuff slowly with a constant speed can decrease coughing incidence during extubation: a randomized clinical trial. Perioper Med (Lond). 2024 Sep 30;13(1):93. doi: 10.1186/s13741-024-00450-3. PMID: 39350247; PMCID: PMC11441075.
似たような記事を発見しました。
カフを3cmH2O/sで少しずつ減圧すると咳嗽と咽頭不快感を抑えられるとの報告です。
虚血状態の気道粘膜への血液供給が徐々に回復するため、再灌流障害を軽減してるのではないかなどの考察がされているみたいです。
>Zhang Z, Li N, Li H, Zhang X, Chen C, Yuan B, Wu H, Yu Y. Decreasing the pressure of endotracheal tube cuff slowly with a constant speed can decrease coughing incidence during extubation: a randomized clinical trial. Perioper Med (Lond). 2024 Sep 30;13(1):93. doi: 10.1186/s13741-024-00450-3. PMID: 39350247; PMCID: PMC11441075.
>カフを3cmH2O/sで少しずつ減圧すると咳嗽と咽頭不快感を抑えられるとの報告です。
というこうとは、10秒くらいかけてカフを脱気すればよいということですね。ラリンジアルマスクなども同じことが言えるかもしれませんね。