喉頭顯微鏡手術における小口径気管チューブの安全性

・2020 年 11 月から 2023 年 11 月にかけて、ワシントン大学医学部において、喉頭顯微鏡手術における 5.0 ETT の安全性を分析する症例シリーズを実施した。アウトカム指標は、術中の酸素飽和度低下(SpO2<90%、2 分以上)、高い吸気圧(PIP)(>40cmH2O)、抜管時間の延長(>15 分)などであった。単変量回帰モデルを用いて、社会人口統計学的変数および臨床変数とこれらの転帰指標との関連を解析した。
・本研究では、76 例の小 ETT 喉頭顯微鏡手術を対象とした。酸素飽和度低下は 5 例であり、気圧外傷の報告はなく、酸素化や換気の問題により術中のチューブ交換が必要となった症例はなかった。PIP の中央値は 38cmH2O で、範囲は 17〜78cmH2O であった。患者の 46% は PIP が 40cmH2O 以上であった。抜管時間の延長は 14% にみられた。社会人口統計学的変数および臨床的変数と、酸素飽和度低下、高 PIP、抜管時間の延長のリスクとの関連は示されなかった。
・本研究は、5.0 ETT がさまざまな患者の喉頭顯微鏡手術に安全であることを示唆している。耳鼻咽喉科医および麻酔科医は、微喉頭顯微鏡手術中の気道管理に利用可能な複数の選択肢の中から選択する際に、この情報を考慮すべきである。
ひこ
研修医には「緊急時には気管チューブの内径は最低 5 mm が入れば何とか救命できるから」と話している。
対訳テキスト:20241101-1.pdf
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