待機的帝王切開術におけるフェンタニルを併用した場合の高比重レボブピバカインと高比重ブピバカインの比較有効性

ブピバカイン7.png・待機的帝王切開術を受ける分娩患者において、クモ膜下遮断の局所麻酔薬として広く用いられているのはラセミ体の高比重ブピバカインである。ブピバカインの純粋な S(-)異性体である高比重レボブピバカインが導入され、運動遮断時間が短く、神経毒性や心毒性のリスクが軽減されたため、インドで広く使用されるようになった。本研究の目的は、待機的帝王切開分娩時の鎮痛持続時間を延長するために、高比重ブピバカインとレボブピバカインにオピオイド添加剤であるフェンタニルを同量併用した場合の知覚遮断と運動遮断の特徴および副作用を比較することである。

・本無作為前向き二重盲検比較試験には、待機的帝王切開術を受ける ASA-PS クラス I および II に分類される女性 130 人が、書面による説明と同意を得た後に登録された。無作為に 2 群に割り付けられた: 65 人の女性を含む LF 群ではフェンタニル 25μg(0.5ml)と高比重レボブピバカイン 10mg(2ml)を投与し、65 人の女性を含む BF 群ではフェンタニル 25μg(0.5ml)と高比重ブピバカイン 10mg(2ml)を投与した。ピンプリック、コールドスワブ、ブロメージスケールを用いて知覚遮断と運動遮断の特徴を評価し、血行動態の変化と副作用も観察した。

レボブピバカイン群は 21〜29 歳の 65 人からなり、ブピバカイン群と比較して副作用が少なく、知覚遮断と運動遮断の持続時間が有意に短かった。両群とも血行動態の安定性は同等である。レボブピバカインはブピバカインと比較して有意に短い鎮痛持続効果を示した。

帝王切開術において、高比重レボブピバカインとフェンタニルのクモ膜下投与は、十分な知覚遮断と運動遮断を行いながら血行動態の安定性を維持できることから、高比重ブピバカインとフェンタニルの効果的な代替となりうる。

硬膜外麻酔では使用量が多いので、心毒性とかが問題になるけど、くも膜下に使用する場合には問題にならない。作用時間が短いのはいいことなのか悪いことなのか? どういう術式で使用するかによるだろう。

対訳テキスト:20241101-2.pdf

この記事へのコメント