■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2024/11/05
【問題1】(麻酔科学用語) 以下の略語のフルスペルと意味を答えよ。 | ||||
(1) DCM | (2) IRBBB | (3) ALI | (4) ARF | (5) ALS |
[解答]
(1)dilated cardiomyopathy:拡張型心筋症
(2)incomplete right bundle branch block:不全右脚ブロック
(3)acute lung injury:急性肺傷害/急性肺損傷
(4)acute respiratory failure:急性呼吸不全
(5)amyotrophic lateral sclerosis:筋萎縮性側索硬化症
[出典] 麻酔科学用語集 第3版
【問題2】(モニター) 心電図について正しいものはどれか? | ア:低カリウム血症ではSTセグメントの上昇がみられることがある。 イ:急性心筋梗塞では、Q波は通常、STセグメントの上昇が認められる誘導で遅れて出現する。 ウ:心電図が高電位の場合は、鑑別診断として全身の浮腫を考える。 エ:高位後壁梗塞とは高位後壁に限局する梗塞で、純後壁梗塞とも呼ばれる。 オ:心電図で、心腔拡大や心肥大のある患者を見落とすことは少ない。 |
▼
▼
▼
[解説] ア:×:高カルシウム血症ではSTセグメントの上昇がみられることがある。低カリウム血症では、U波の出現・増高、幅の広いT波、QT間隔の延長がみられる。
イ:○:急性心筋梗塞では、Q波は通常、STセグメントの上昇が認められる誘導で遅れて出現する。
ウ:×:心電図が低電位の場合は、鑑別診断として慢性閉塞性肺疾患、甲状腺機能低下症、心嚢液貯留、全身の浮腫、アミロイドーシス、虚血性心筋症、肥満を考える。
エ:○:高位後壁梗塞とは高位後壁に限局する梗塞で、純後壁梗塞とも呼ばれる。V1でR波の幅が広かったり高い場合には、後壁梗塞が示唆される。
オ:×:心電図では、心腔拡大や心肥大のある多くの患者を見落としてしまう。心エコーに比べると感度が低い。
[正解] 解説を参照 [出典] 麻酔科シークレット第2版 p157-163
【問題3】(麻酔後回復室) 術後覚醒遅延の原因になるものはどれか。 | ア:低酸素血症 ウ:低血糖 | イ:高二酸化炭素血症 エ:低マグネシウム血症 |
▼
▼
▼
[解説] 低マグネシウム血症では、神経の被刺激性が亢進し、テタニーがみられる。高度の低マグネシウム血症では、痙攣、混迷、昏睡がみられる。冠動脈攣縮、心不全、低血圧、不整脈も起こす。
[正解] (全て) [出典] 麻酔科クリニカル問題集
【問題4】(血液) 胎児ヘモグロビンのP50は何mmHgくらいか? | ||||
1) 38 | 2) 22 | 3) 26 | 4) 32 | 5) 19 |
▼
▼
▼
[解説] 臍帯静脈血中の新生児のHbFは約80%であり、未熟児では90%以上となることもある。HbFの酸素に対する親和性は高く、P50は成人の26mmHgに比し19mmHgと低い。HbFの酸素に対する高い親和性は2・3DPGとHbFとの相互作用がHbAに比し高いためである。理論的にはHbFは2・3DPGの影響を受けない。新生児血液の酸素に対する親和性は、生後急速に減少し、4ヵ月齢までに成人のP50に近似するようになる。
[正解] 5 [出典] 第33回麻酔指導医認定筆記試験・問題−考え方−解答p13
この記事へのコメント