心臓移植の革新的動物モデルにおける人工心肺中の開放肺換気と無換気との比較
・心臓移植(HTx)を受けた患者における人工心肺(CPB)中の開放肺換気は、術後の急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を軽減する潜在的な戦略である。著者らは、CPB 中の開放肺換気が術後の肺障害と合併症を軽減するかどうかを調査するために、ヒツジの HTx モデルを利用した。
・ヒツジ HTx モデルから 18 頭のヒツジを組み入れ、CPB 中の換気介入を無作為に割り付けた:OPENVENT 群では 3mL/kg の低一回換気量(VT)と 8cmH20 の呼気終末陽圧(PEEP)を受け、NOVENT 群では標準治療に従って換気を行わなかった。レシピエントヒツジは術後 6 時間モニターされた。主要転帰は組織学的肺障害で、試験終了時にスコア化された。副次評価項目は肺シャント、駆動圧、血行動態および炎症性肺浸潤であった。
・全動物が試験を終了した。OPENVENT 群は NOVENT 群に対して有意に低い組織学的肺障害(0.22 vs 0.27、p=0.042)と低い肺シャント(19.2 vs 32.1%、p=0.001)を示した。さらに、OPENVENT 群は駆動圧の低下(9.6cmH2O vs 12.8cmH2O, p=0.039)、好中球の減少(5.25% vs 7.97%, p≦0.001)、マクロファージ浸潤の減少(11.1% vs 19.6%, p<0.001)を示した。血行動態パラメータに有意差は認められなかった。
・羊の HTx モデルにおいて、CPB 中の開放肺換気は肺の組織学的傷害と炎症性浸潤を有意に減少させた。このことは、CPB 中の開放肺アプローチの価値を強調するとともに、HTx 患者における肺障害のリスクを減少させるためのさらなる臨床的エビデンスの必要性を強調するものである。
・ヒツジ HTx モデルから 18 頭のヒツジを組み入れ、CPB 中の換気介入を無作為に割り付けた:OPENVENT 群では 3mL/kg の低一回換気量(VT)と 8cmH20 の呼気終末陽圧(PEEP)を受け、NOVENT 群では標準治療に従って換気を行わなかった。レシピエントヒツジは術後 6 時間モニターされた。主要転帰は組織学的肺障害で、試験終了時にスコア化された。副次評価項目は肺シャント、駆動圧、血行動態および炎症性肺浸潤であった。
・全動物が試験を終了した。OPENVENT 群は NOVENT 群に対して有意に低い組織学的肺障害(0.22 vs 0.27、p=0.042)と低い肺シャント(19.2 vs 32.1%、p=0.001)を示した。さらに、OPENVENT 群は駆動圧の低下(9.6cmH2O vs 12.8cmH2O, p=0.039)、好中球の減少(5.25% vs 7.97%, p≦0.001)、マクロファージ浸潤の減少(11.1% vs 19.6%, p<0.001)を示した。血行動態パラメータに有意差は認められなかった。
・羊の HTx モデルにおいて、CPB 中の開放肺換気は肺の組織学的傷害と炎症性浸潤を有意に減少させた。このことは、CPB 中の開放肺アプローチの価値を強調するとともに、HTx 患者における肺障害のリスクを減少させるためのさらなる臨床的エビデンスの必要性を強調するものである。
ひこ
やはり人工心肺中にも人工呼吸をした方が肺の障害が少なくなるんだな。
【出典】
Open-lung ventilation versus no ventilation during cardiopulmonary bypass in an innovative animal model of heart transplantation
Intensive Care Med Exp. 2024 Nov 27;12(1):109.
Open-lung ventilation versus no ventilation during cardiopulmonary bypass in an innovative animal model of heart transplantation
Intensive Care Med Exp. 2024 Nov 27;12(1):109.
対訳テキスト:20241128-1.pdf
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