麻酔科医の性別と麻酔の質指標および術後転帰との関連性:後ろ向き分析

麻酔科医の性別.png・男性と女性の医師や外科医では、医療行為や患者の転帰に違いがあることがエビデンスから示唆されている。これまでのところ、麻酔科医においてこのような関係は調査されていない。本研究では、麻酔科医の性別と麻酔の質指標および転帰との関連を調査することを目的とした。

・集団ベースの単施設での後ろ向きコホート研究を実施した。オーストリア・ウィーンの大規模 3 次センターで 2014 年 1 月 1 日から 2022 年 3 月 31 日の間に麻酔を受けた全患者からデータを収集した。患者、医師、病院のさまざまな因子で調整した後、麻酔科医の性別との関連で 30 日死亡率を調べた。さらに、麻酔科医の性別といくつかの麻酔の質ベンチマークを評価した。

・最終データセットには 94,254 例が含まれた。本研究では、男性の麻酔提供者と 30 日以内の全死因死亡リスクの上昇との間に、非常に小さいが統計的に有意な相関があることが示された(調整オッズ比[aOR]: 1.0026;95%信頼区間[CI]、1.0003-1.0048)。男性麻酔科医も女性麻酔科医も、血行動態の安定、血糖値の投与、術後急性腎障害(AKI)の予防、肺保護換気に関しては同様の熟練度を示した。しかし、男性麻酔科医は PONV 予防のガイドラインの遵守度がわずかに高かった。

約 95,000 例のデータセットにおいて、男性麻酔科医の性別と 30 日死亡率との間には、臨床的にはわずかであるが統計的に有意な関連がみられた

男性麻酔科医が担当した患者の方が、わずかに 30 死亡率が高いと。麻酔科医たる自分の命も患者の命も同等に扱うとすれば、男性の方が女性よりも寿命が短いことと関係しているかもね。

対訳テキスト:20241128-2.pdf

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