短時間作用型β遮断薬による治療を受けた敗血症患者の死亡率:無作為化比較試験の包括的メタ分析

敗血症3.png・敗血症患者における短時間作用型β遮断薬による治療は依然として議論の的となっている。最近行われた2つの大規模多施設共同試験により、この治療法に関する新たなエビデンスが得られた。そこで著者らは、短時間作用型β遮断薬による治療が成人の敗血症患者の死亡率に及ぼす潜在的影響を評価するために、最新のデータを含むメタ分析を行った。

・データ検索にはPubMed、Web of Science、ClinicalTrials.gov、Cochrane Library を用いた。PRISMA 声明に従って、全適格な査読付き研究のメタ分析を行った。敗血症の分類が妥当で、短時間作用型β遮断薬(ランジオロールまたはエスモロール)による静脈内治療を行った無作為化比較試験のみを対象とした。短期死亡率を主要エンドポイントとした。副次的エンドポイントには、患者の年齢と心拍リズムに関する短期死亡率への影響を含めた。

854 例の患者を対象とした合計 7 件の研究が事前に定義された基準を満たし、組み入れられた。短期死亡率およびプール死亡率(死亡率に関する最長期間のデータ)は、基準治療と比較した場合、短時間作用型β遮断薬による治療による有意な影響は認められなかった(リスク差、-0.10[95%CI、-0.22〜0.02];p=0.11;コクラン Q 検定の p=0.001;I2=73%)。年齢 65 歳未満と 65 歳以上(p=0.11)、洞性頻拍と心房細動(p=0.27)を比較しても差はみられなかった。統計的異質性にもかかわらず、有意な出版バイアスは観察されなかった。

持続性頻脈を有する敗血症患者において、短時間作用型β遮断薬の投与は短期死亡率を低下させなかった。今後の研究では、治療前および治療中の心機能の特徴を明らかにするために、広範な血行動態データを提供すべきである。

頻脈のある敗血症患者で、βブロッカーで頻脈治療をしても天気は改善しないと。

対訳テキスト:20241129-1.pdf

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