小児患者の意識消失に対するレミマゾラムとプロポフォールの用量同等性:無作為臨床試験

プロポフォール vs レミマゾラム.png・レミマゾラムとプロポフォールは全身麻酔に互換性をもって使用できる。しかし、小児患者の全身麻酔導入時のレミマゾラムの静脈内ボーラス投与に関する投与量の推奨は存在しない。小児患者の麻酔導入に適切な用量を調査することは、安全で効果的な外科手術のために極めて重要である。本研究の目的は、小児患者におけるレミマゾラムとプロポフォールによる意識消失(LOC)に対する有効量の中央値(ED50)を決定し、これらの麻酔薬の用量同等性を確立することである。

・2023 年 1 月から 2023 年 7 月までの中国の小児 3 次病院での前向き無作為単施設試験である。全身麻酔下で待機的手術を受ける年齢 3〜15 歳の小児患者を対象とした。患者は、レミマゾラム(用量 0.1、0.15、0.2、0.25、0.3mg/kg)またはプロポフォール(用量 0.75、1.0、1.25、1.5mg/kg)を静脈内ボーラス投与する群に無作為に割り付けられた。主要評価項目はレミマゾラムによる LOC の ED50 を調査することであり、副次評価項目はレミマゾラムとプロポフォールの用量同等性を確立することであった。

・算出されたレミマゾラムの ED50 は 0.19mg/kg(95%CI:0.10-0.35)であり、プロポフォールのそれは 1.11mg/kg(95%CI:0.53-2.15)であった。この所見は、レミマゾラムがプロポフォールの約 5.8 倍強力であることを示している。本研究では、麻酔科医はレミマゾラムとプロポフォールの見た眼の違いについて盲検化することができず、LOC 評価法がバイアスをもたらした可能性がある。さらに、レミマゾラム導入の推奨用量はこの試験では直接検証されておらず、さらなる研究の必要性が示唆された。

レミマゾラムは小児患者に対してプロポフォールよりも有意に高い鎮静効果を示した。プロポフォール 2mg/kg 用量の安全性と有効性を考慮すると、レミマゾラム 0.34mg/kg の全身麻酔導入用量が推奨されうる。

小児において、レミマゾラムの鎮静作用は、プロポフォールの 5.8 倍の力価があると。

対訳テキスト:20241204-2.pdf

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