■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2024/12/06
【問題1】(頭頚部手術の麻酔) 眼球心臓反射について正しいのはどれか。 | ア:三叉神経-迷走神経反射である。 イ:二段脈が高率に発現する。 ウ:外眼筋の操作により高率に発現する。 エ:アトロピンの静注は抑制効果を示す。 |
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[解説] 本反射の経路は、求心性神経が眼球に広く分布している三叉神経、遠心性神経が迷走神経であることから三叉神経−迷走神経反射と呼称されている。心電図変化としては、洞徐脈、ペースメーカ遊走が高率に認められ、その他、結節調律、洞房ブロック、房室ブロック、二段脈、心停止などがみられる。眼やその周辺へ色々な刺激を加えると反射が誘発される。眼球・外眼筋、特に内側直筋への圧迫によって最も起こりやすい。前投薬のアトロピンは60分後には効果がなく、眼心反射を予防する上では価値がない。0.4mgのアトロピン静注は30分間は反射による徐脈発生の防止上有効である。
[正解] (ア)、(ウ)、(エ) [出典] 第28回麻酔指導医認定筆記試験:A4
【問題2】(外傷・出血・感染) 急性期の打撲・捻挫の基本的な治療としては頭文字を取って( )と言われる。 | 1) FASE 4) RICE | 2) RACE 5) MAZE | 3) ROSE |
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[解説] 捻挫や骨折の場合の初期治療として「RICE」が重要である。(1)R=rest(安静):患部を安静にして動かかさない。無理して動かすと損傷部位はいっそう悪化する。(2)I=ice(氷冷):出血が少なければ腫脹も少ないし、瘢痕組織も小さなものになる。氷冷→血管収縮→出血減少、疼痛緩和。(3)C=compression(圧迫):外部からの圧迫により物理的に止血し、腫脹を抑える。(4)E=elevation(高挙):受傷部位を心臓より高くし、重力の働きにより出血や組織間液の血管やリンパ管への還流を促進し、出血を吸収させ、腫脹を軽減させる。
[正解] 4 [出典] 研修医ノートP971、p1041
【問題3】(代謝・内分泌) プレドニン1錠(5mg)は、ハイドロコートンの力価に換算すると何mgに相当するか? | 1) 10〜15mg 3) 50〜60mg 5) 同等量 | 2) 30〜40mg 4) 20〜25mg |
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[解説] 成人の1日の副腎皮質ステロイド分泌量はハイドロコーチゾンにして20〜30mg(0.5mg/kg/day)程度(プレドニンに換算すると5mg=1錠:プレドニンの力価はハイドロコートンの5倍)、外傷や感染などのストレス時には、その10倍300mg/日(5mg/kg/day)程度まで分泌量を増加させうる。
[正解] 4 [出典] クリティカル記憶術1P164
【問題4】(呼吸) 気管内チューブの抜去後の絶飲食時間はどれが適当か? | 1) 2時間 4) 2日 | 2) 12時間 5) 6時間 | 3) 24時間 |
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[解説] 気管内チューブの抜去後は、声門の浮腫のために閉鎖性が落ちており誤嚥しやすい状況にあるので、少なくとも6時間程度は絶飲食とするべきである。
[正解] 5 [出典]
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