■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2024/12/10
【問題1】(呼吸) 100%酸素を吸入するとき、肺胞における酸素分圧(PAO2)はどれくらいか?ただし、PaCO2は40mmHgとする。 | 1) 480mmHg 3) 560mmHg 5) 500mmHg | 2) 600mmHg 4) 660mmHg |
▼
▼
▼
[解説] 肺胞気方程式:PAO2=PIO2−PaCO2/R.(R=ガス交換比=呼吸商) ∴PAO2=(760-47)-40/0.8=663mmHg
[正解] 4 [出典] クリティカル記憶術1P124
【問題2】(局所麻酔薬) 局所麻酔薬中毒について正しい記述はどれか。 | ア:ジアゼパムなどが前投薬として投与されていると、局所麻酔薬中毒初期にみられる興奮症状が起こらないことがある。 イ:妊婦では、ブピバカインにより循環虚脱を起こす閾値が非妊娠時より低い。 ウ:ブピバカインは、メピバカインより心室性不整脈を起こしやすい エ:局所麻酔薬を混合すると、その毒性は相加的となる。 |
▼
▼
▼
[解説] 局所麻酔薬中毒では、興奮症状などの中枢神経徴候が心血管系の中毒症状に先立って現れる。ベンゾジアゼピンを投与しておくと中枢神経系の徴候がみられず、いきなり心血管系の中毒症状が現れる可能性がある。ウサギで、妊娠時に神経の局所麻酔薬に対する感受性が高くなっていることが報告されている。硬膜外腔の血管が怒張しているため硬膜外カテーテルも血管内に迷入しやすい。局所麻酔薬を混合すると、理論的には相乗的な毒性が出る可能性があるが、実際にはほとんど相加的毒性にとどまる。局所麻酔薬の混合による効果(効果発現時間、持続時間)は不確実である。
[正解] (全て) [出典] 麻酔科クリニカル問題集
【問題3】(麻酔科学用語) コロン以下の日本語に相当する英単語、フレーズを答えよ。 | (1) (a______) (c_____) : 副腎クリーゼ (2) (h___________) (h____) (d______) : 高血圧性心疾患 (3) (a_______) (p__________) : 肺胞タンパク症 (4) (h________) : 水和/水分補給 (5) (b_____________) (d___) : 静菌薬 |
[解答]
(1)adrenal crisis | (2)hypertensive heart disease |
(3)alveolar proteinosis | (4)hydration |
(5)bacteriostatic drug |
[出典] 麻酔科学用語集 第3版
【問題4】(体液・電解質) 持続血液浄化法を行う際の抗凝固薬としてはどれがもっとも適当か? | 1) FOY 3) ヘパリン 5) メシル酸ナファモスタット | 2) メシル酸ガベキサート 4) 低分子ヘパリン |
▼
▼
▼
[解説] メシル酸ナファモスタットは、持続血液浄化法(CBP)を行う際の第1選択の抗凝固薬である。CBP施行時の最大の問題点は、長時間抗凝固薬を使用し続けることにより惹起される出血性合併症である。一度出血が発生するとCBPを中止せざるを得ず、そのあとの治療が極めて困難となる。よって凝固時間を体外循環回路内では凝固しない程度に長く、体内では出血性合併症を発生しない程度に短くコントロールすることが望ましい。メシル酸ナファモスタットは血中半減期が5〜8分と短いため、その投与量を増減することによりACTを目標ちである150秒に維持することが容易である。
[正解] 5 [出典] 救急認定医診療指診P121
この記事へのコメント