■ 臨床麻酔とクリティカルケアのＭＣＱ問題 ■ 2025/01/17

【問題1】（モニター） 心電図について正しいものはどれか？

ア：下壁梗塞の患者では、V1〜V2でSTセグメントが上昇する。 イ：STセグメントの上昇の鑑別診断として、心膜炎を考える。 ウ：低カリウム血症ではSTセグメントの低下がみられることがある。 エ：脚ブロックの鑑別診断としては、高ルシウム血症を考える。 オ：肺動脈カテーテル挿入により、一時的な左脚後枝の損傷は5〜10％もの症例では発生する。

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［解説］ ア：×：下壁梗塞の患者では、 II 、 III 、aVFでSTセグメントが上昇する。V1〜V2でSTセグメントが上昇するのは、中隔梗塞である。
イ：○：STセグメントの上昇の鑑別診断として、急性心筋梗塞、心膜炎、高カリウム血症、高カルシウム血症、左室肥大、左脚ブロック、Burugada症候群を考える。
ウ：○：低カリウム血症では、U波の出現・増高、幅の広いT波、QT間隔の延長がみられる。さらに、P波が増強されたり、STセグメントの低下がみられることがある。
エ：×：脚ブロックの鑑別診断としては、WPW症候群、心室拍動、心室内伝導遅延、高カリウム血症、薬物の影響を考える。
オ：×：肺動脈カテーテル挿入により、一時的な右脚枝の損傷は5〜10％もの症例では発生する。したがって、左脚ブロック患者では肺動脈カテーテルの適応をきわめて慎重に検討する。


［正解］ 解説を参照 ［出典］ 麻酔科シークレット第２版 p157-163

【問題2】（医療英単語） コロン以下の日本語に相当する英単語、フレーズを答えよ。

（１） (h____) (t_________) (o________) : 心臓移植手術 （２） (___________________m) : (略)EEG 脳波図 （３） (s___________) (h_________) : クモ膜下出血 （４） (a______) (p________) : アルコール中毒 （５） (s________) (d___) : 合成医薬品

［解答］

（１）heart transplant operation	（２）electroencephalogram
（３）subarachnoid hemorrhage	（４）alcohol poisoning
（５）synthetic drug

［出典］ RNN時事英語辞典　http://rnnnews.jp/

【問題3】（呼吸） 室内の空気を吸っている場合、肺胞機能が正常な人では大体、PaO2 + PaCO2 = （ ） になるといわれている。
1) １１０	2) １２０	3) １５０	4) １４０	5) １３０

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［解説］ 肺胞気式を簡略化してみると分る。CO2 の貯留した呼吸不全の患者を見た場合、例えば酸素投与なしの状態でのPaO2 が52mmHg、PaCO2 が83mmHg であった場合、両者の合計は135 となる。この場合、肺自体の障害というよりは、むしろ呼吸筋の疲労やCO2ナルコーシスなどが主な原因となっていると考え、酸素投与よりは、BiPAP の準備などといった機械的な補助手段を優先的に考える。一方、PaO2 が70mmHg程度ある患者であっても、PaCO2が24mmHgなどと低下していた場合、患者は何らかの肺障害を持っている。たとえ酸素濃度が正常であっても、酸素投与を開始しておくほうがよい。


［正解］ 4 ［出典］ レジデント初期研修用資料

【問題4】（心臓・血管） 左冠動脈の収縮期流量／拡張期流量の比はどれくらいか？
1) ０．５〜０．６ 3) ０．８〜１ 5) ２．５〜３	2) ０．２〜０．３ 4) １．５〜２

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［解説］ 冠灌流圧＝冠動脈圧−心筋組織圧（張力）。左心室壁張力；収縮期には心内膜側で高く、心外膜側で低い→収縮期には内膜下層ではほとんど血流がない。拡張期の冠血管抵抗；心内膜側の方が心外膜側より低い。→拡張期には左心室内膜下層に血流が多い。左心室の冠血流量の大部分は拡張期に流れている。左冠動脈の収縮期流量／拡張期流量の比＝０．２〜０．３．これに対し、右心室は心内圧が低い（収縮期圧＝２５mmHg）ので壁張力の影響が小さく、収縮期と拡張期における冠血流量は等しい。∴右冠動脈の収縮期流量／拡張期流量の比＝１


［正解］ 2 ［出典］ ＣＣＵハンドブックP23

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