■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2025/01/23

【問題1】(心疾患患者への注意) 細菌性心内膜炎予防のための抗生物質投与が必要な場合はどれか。 | ア:大動脈弁狭窄症 イ:僧帽弁置換後 ウ:Fallot四徴症根治手術後 エ:逆流を伴わない僧帽弁逸脱症 |
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[解説] 心臓弁膜症や人工弁置換術後、人工血管グラフト置換後には、歯科治療手術の際に細菌性心内膜炎の予防が必要である。適切な抗生物質は、手術の種類によって異なる。
[正解] (ア)、(イ)、(ウ) [出典] 麻酔科クリニカル問題集
【問題2】(モニター) 心電図について正しいものはどれか? | ア:高カリウム血症が高度の場合には、心電図はサイン波のようになる。 イ:心電図が低電位の場合は、鑑別診断としてアミロイドーシスを考える。 ウ:STセグメントの低下の鑑別診断として、心膜炎を考える。 エ:QRS間隔の正常範囲は0.05〜0.10秒である。 オ:心電図が正常であっても、重篤な冠動脈疾患の可能性を除外できない。 |
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[解説] ア:○:高カリウム血症では幅の広いQRSや、先鋭T波が認められ、高度の場合には、心電図はサイン波のようになる。
イ:○:心電図が低電位の場合は、鑑別診断として慢性閉塞性肺疾患、甲状腺機能低下症、心嚢液貯留、全身の浮腫、アミロイドーシス、虚血性心筋症、肥満を考える。
ウ:×:STセグメントの上昇の鑑別診断として、急性心筋梗塞、心膜炎、高カリウム血症、高カルシウム血症、左室肥大、左脚ブロック、Burugada症候群を考える。
エ:○:PR間隔の正常範囲は0.12〜0.20秒、QRS間隔の正常範囲は0.05〜0.10秒である。QTcの正常範囲は男性で0.44秒以下、女性で0.46秒以下である。
オ:○:心電図が正常であっても、重篤な冠動脈疾患の可能性を除外できない。
[正解] 解説を参照 [出典] 麻酔科シークレット第2版 p157-163
【問題3】(心臓血管外科) 腹部大動脈瘤の手術について正しいのはどれか。 | ア:右側臥位で後腹膜経由で行う方法は術後の腸管運動制限がなく回復が早い。 イ:心臓にリスクがある場合は、腹部正中切開で行う方が安全である。 ウ:Yグラフトを吻合する場合、両側端側吻合でも構わない。 エ:腹部大動脈瘤の場合のグラフトの種類は woven Dacron がよい。 オ:内腸骨動脈は通常その一側を再建すれば、90%以上の症例で虚血性腸炎は起こらない。 |
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[解説] 右側臥位後腹膜経由法は術後の腸管運動制限がなく早期に経口摂取が可能となり、回復が早い特徴がある。しかし、対側の外腸骨動脈へのアプローチは難しく、心臓に問題があり、心マッサージや心嚢を開けて何か処置しなくてはならない場合は、腹部正中切開の方が安全である。Yグラフトを吻合する場合、術後のカテーテル検査やIABPを考慮し、少なくとも一側は端端吻合とする。腹部大動脈瘤の場合のグラフトの種類は knitted Dacron がよい。内腸骨動脈は通常その一側を再建すれば、90%以上の症例で虚血性腸炎は起こらないが、一側しか再建できない場合には積極的に下腸間膜動脈の再建を行う。
[正解] (ア)、(イ)、(オ) [出典] LiSA 1巻 1号 p50 (1994.11)
■ これって常識? ■ 吐血の患者をみたら,本当に吐血か否かを確かめよ! |
鼻腔や口腔からの出血,あるいは喀血の可能性も考える.
[出典] 知っているつもりの内科レジデントの常識非常識 第3章 378の常識〜消化器編
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