プロポフォール単剤 vs プロポフォール併用レジメン:病院ベースの内視鏡検査室における回復指標と合併症発生率の後ろ向きコホート研究

・4 年間にわたり、大規模な学術施設で食道胃十二指経腸視鏡検査(EGD)および/または大腸内視鏡検査(COL)を受ける間にプロポフォールを投与された成人(≧18)を対象に後ろ向きコホート研究を実施した。プロポフォール単独投与を受けた患者と、プロポフォールにミダゾラム、フェンタニル、ケタミン、またはデクスメデトミジンを併用した患者を比較した。主要評価項目は年齢、性別、ASA-PS スコアで調整した PACU 在室期間であった。副次評価項目は、PACU での術後悪心・嘔吐、低酸素血症(SpO2<90)、徐脈(HR<60)、ケアの拡大(入院)の発生率で、調整オッズ比とその 95% 信頼区間で報告された。
・28,532 例が対象となった。プロポフォール+フェンタニルで実施された大経腸視鏡は、プロポフォール単独と比較して PACU LOS が有意に長かった。調整平均 PACU LOS は、プロポフォール単独(p<0.01)およびプロポフォール+デクスメデトミジン(p<0.01)と比較して、補助薬フェンタニルを投与された患者で有意に長かった。プロポフォール単独投与群では徐脈 9.4%、低酸素 16.0%、PONV 0.89%、入院 0.40% であった。補助薬フェンタニルの使用は、全手技タイプにおいて低酸素症のオッズ増加と関連していた(p<0.05)。デクスメデトミジンの併用は徐脈の発生率の増加と関連したが、低酸素症、PONV、入院の発生率は減少した(p<0.05)。
・フェンタニルを除いて、プロポフォールと他の鎮静薬の併用は回復時間の延長とは関連していなかった。合併症の発生率は、補助的なフェンタニルまたはデクスメデトミジンの使用によって有意に異なった。
ひこ
消化管内視鏡は侵襲度が低いので、フェンタニルまで併用する必要性は少ないかもね。また、フェンタニルは呼吸抑制作用が強いので、リカバリー時間が長くなってしまうのだろう。
【出典】
Single-agent versus combination regimens containing propofol: a retrospective cohort study of recovery metrics and complication rates in a Hospital-Based endoscopy suite
Braz J Anesthesiol. 2025 Feb 27:844602.
Single-agent versus combination regimens containing propofol: a retrospective cohort study of recovery metrics and complication rates in a Hospital-Based endoscopy suite
Braz J Anesthesiol. 2025 Feb 27:844602.
対訳テキスト:20250304-1.pdf
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