小児の全身麻酔後の側臥位と仰臥位における気管抜管の質を比較する無作為化比較試験

・この単盲検無作為化試験では、年齢 2〜12 歳の 110 人の小児が登録され、手術終了時の抜管時に側臥位(L 群)または仰臥位(S 群)のいずれかの体位とした。全患者は標準化麻酔レジメンを受けた。抜管時に気道開存性の低下が認められた場合は、顎先挙上と陽圧換気が行われた。抜管後 30 分まで、バイタルパラメータ、抜管の質、鎮静スコア、酸素飽和度、喉頭痙攣、喘鳴、気管支痙攣の発生率を5分ごとに記録した。
・S 群の小児は L 群の小児と比較して、抜管 15 分後の咳嗽スコアが高く、P値=0.04 であった。
・抜管時に小児を側臥位にすることで、仰臥位での抜管と比較して咳嗽スコアが低く、合併症の発生率が低いことから明らかなように、抜管の質が改善した。
ひこ
意識障害患者に「昏睡胎位(シムズ体位)」と呼ばれる体位を取らせる。この姿勢だと口腔内の唾液や嘔吐物が口から排出され,窒息や誤嚥を防ぐことができる。また,舌根沈下による気道閉塞も予防することができる。
【出典】
A randomised controlled trial to compare tracheal extubation quality in lateral and supine positions after general anaesthesia in children
J Anaesthesiol Clin Pharmacol. 2025 Jan-Mar;41(1):176-182.
A randomised controlled trial to compare tracheal extubation quality in lateral and supine positions after general anaesthesia in children
J Anaesthesiol Clin Pharmacol. 2025 Jan-Mar;41(1):176-182.
memo
修正ミノーグ咳嗽スコア(Modified Minogue Cough Score)
スコア | 定義 |
1 | 咳が全く認められない |
2 | 軽度の咳:1~2回程度の軽い咳 |
3 | 中等度の咳:3~4回、または一過性の中等な咳 |
4 | 重度の咳:5回以上、または持続的で激しい咳 |
対訳テキスト:20250304-2.pdf
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