週末前手術後の術後成績
・週末効果という現象は、週末に治療を受けた患者において有害転帰の可能性が高くなることを指す。一般化可能なコホートにおいて、術後の週末ケアが手術転帰に及ぼす影響を包括的に調査した先行研究はほとんどない。本研究の目的は、週末直前に外科的処置を受けた患者と週末後に外科的処置を受けた患者の短期および長期の術後転帰の差を検討することである。・2007 年 1 月 1 日から 2019 年 12 月 31 日の間に 25 種類のよく見られる外科手術のうち 1 つを受けたカナダ・オンタリオ州の成人患者を対象とし、1 年間の追跡を行った集団ベースの後ろ向きコホート二次解析である。データ解析は 2022 年 10 月〜 11 月に実施した。週末前（1 日前）に手術を受けた場合と週末後（1 日後）に手術を受けた場合とで、主要評価項目として、30 日後、90 日後、1 年後の死亡、再入院、合併症の複合を比較した。週末に関連した手術日と転帰との関連を推定するために、共変量を考慮した独立相関構造の多変量一般化推定方程式を用い、手術手技でクラスタリングを行った。
・研究コホートの患者 429 691 人（平均［SD］年齢 58.6［16.9］歳；女性患者 270 002人［62.8%］）のうち、週末前に手術を受けた患者は 199 744 人（46.5%）、週末後に手術を受けた患者は 229 947 人（53.5%）であった。週末前群の患者は週末後群の患者よりも、術後 30 日（調整オッズ比[aOR]、1.05；95%CI、1.02-1.08）、90 日（aOR、1.06；95%CI、1.03-1.09）、1 年（aOR、1.05；95%CI、1.02-1.09）に死亡、合併症、再入院の複合転帰を経験する可能性が高かった。死亡のオッズは、30 日後（aOR、1.09；95%CI、1.03-1.16）、90 日後（aOR、1.10；95%CI、1.03-1.17）、1 年後（aOR、1.12；95%CI、1.08-1.17）において、週末前群で週末後群に対して増加した。
・本後ろ向きな多施設共同研究において、週末直前に手術を受けた患者は、週末後に治療を受けた患者と比較して、合併症、再入院、死亡のリスクが有意に高かった。このような観察を支える可能性のあるケア差を理解し、患者が曜日に関係なく質の高いケアを受けられるようにするためには、さらなる研究が必要である。
ひこ
医療従事者も労働者なので、週末は人手が少なくなる。スーパーマーケットや、警察、消防などのように、土日祝祭日関係なく病院が営業すれば、週末効果はなくなるだろう。
【さらに詳しい解説】週末直前の手術？研究結果、悪い考えだと判明
対訳テキスト：20250305-1.pdf
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