■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2025/03/14

【問題1】(呼吸) 気道確保について正しいのはどれか? | ア:輪状甲状膜部は気管でもっとも体表層に位置している。 イ:14G程度の針による輪状甲状膜穿刺では十分な換気はできない。 ウ:2003年版ASAのDAアルゴリズムではLMAはCICVでの第1選択となった。 エ:1993年のASAのDAアルゴリズムでは、CICVの状況で緊急経路が始まる。 オ:気管チューブエクスチェンジャは、再挿管を盲目的に行うための器具である。 |
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[解説] ア×:輪状甲状膜部は解剖学的には「喉頭」であり「気管」ではない。咽頭から気管に至る上気道でもっとも体表層に位置している。
イ○:14〜16Gのカニュレーションにより行われる輪状甲状膜穿刺において通常の低圧換気では十分な換気はできない。経気管ジェット換気法を使用する必要がある。
ウ○:LMAは1993年版ASAのDAアルゴリズムではCICVの対処法の1つとしてTTJV・コンビチューブと同等の役割だったが2003年版ではCICVでの第1選択となりアルゴリズムに必要不可欠な役割に変化した。
エ○:1993年のASAのDAアルゴリズムでは、CICVの状況で緊急経路が始まる。
オ×:気管チューブエクスチェンジャは、再挿管や抜管時の安全性を向上させるための器具であって、再挿管を盲目的に行うための器具ではない。
[正解] 解説を参照 [出典] Anesthesia 21 Century Vol.9 No.3-29 2007
【問題2】(成人、小児、新生児での蘇生法) 小児の心肺蘇生について正しい記述はどれか。 | ア:乳児では、脈拍の確認を上腕動脈または大腿動脈で行う。 イ:乳児での心マッサージの回数は100−120回/minとする。 ウ:4歳以上の小児で、二人で心マッサージと人工呼吸を行う比率は5:1とする。 エ:4−10歳の小児で胸骨圧迫を行う部位は、両側の乳頭を結ぶ線より1横指下である。 |
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[解説] 乳児の場合に胸骨圧迫を行う部位は、両側の乳頭を結ぶ線より1横指下であるが、小児の場合には成人と同様である。
[正解] (ア)、(イ)、(ウ) [出典] 麻酔科クリニカル問題集
【問題3】(中枢神経) 病巣側に向かう水平性共同偏視を認めるのはいずれか? | 1) 橋出血 4) 被殻出血 | 2) 視床出血 5) 小脳出血 | 3) 皮質下出血 |
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[解説] 脳の障害部位と瞳孔異常との関係で、被殻出血では病巣側に向かう水平性共同偏視を、小脳出血では健側に向かう水平性共同偏視を、視床出血では内下方共同偏視を、橋出血ではpinpoint pupils を認める。
[正解] 4 [出典] クリティカル記憶術2P12
【問題4】(麻酔科学用語) コロン以下の日本語に相当する英単語、フレーズを答えよ。 | (1) (c________) (b_______) : 毛細管出血 (2) (a_____) (d________) : 安静狭心症 (3) (t_________) (p____) : 三段脈 (4) (f___) (r___) : 流速/流量 (5) (d_______) : 促迫 |
[解答]
(1)capillary bleeding | (2)angina decubitus |
(3)trigeminal pulse | (4)flow rate |
(5)distress |
[出典] 麻酔科学用語集 第3版
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