クリティカルケアにおける高弯曲ビデオ喉頭鏡による気管挿管におけるフレキシブルチップブジーとスタイレットの比較:無作為化比較試験

・高弯曲ブレードビデオ喉頭鏡(C-MACR D-blade)を用いて、フレキシブルチップブジーとスタイレットを比較する無作為化比較試験を実施した。気管挿管が必要な ICU 入室した成人を対象とした。主要転帰は、初回気管挿管成功率とした。副次評価項目は、気管挿管の試行回数、気管挿管の難易度、合併症の発生率などであった。
・合計 140 例の患者が無作為に割り付けられた(女性 40 例(29%)、平均(SD)年齢 68(13.0)歳)。初回気管挿管成功率は、スタイレット(58/70(83%))と比較して、フレキシブルチップブジー(69/70、99%)に割り付けられた患者で高かった(p=0.005)。1 回、2 回、3 回の挿管で気管挿管が完了した患者の割合は、フレキシブルチップブジー群で 69/70 例(99%)、1/70 例(1%)、0/70 例(0%)であったのに対し、スタイレット群ではそれぞれ 58/70例(83%)、7/70 例(10%)、5/70 例(7%)であった。気管挿管中に喉頭操作を必要とした患者は、スタイレット群で 22/70 例(31.4%)であったのに対し、フレキシブルチップブジー群では 7/70 例(10%)であった。麻酔科医は、フレキシブルチップブジーを用いた気管挿管の 69/70(99%)を困難でないかやや困難と評価したのに対し、スタイレット群では 63/70(90%)であった。合併症の発生率に 2 群間で有意差は認められなかった。
・ICU において、高弯曲ブレードビデオ喉頭鏡による気管挿管の初回成功率は、スタイレットよりもフレキシブルチップブジーのほうが高かった。2 つの手技の間で、操作の難易度や合併症発生率に差は認められなかった。
ひこ
高弯曲ブレードビデオ喉頭鏡での補助っ道具として、スタイレットよりもフレキシブルチップブジーのほうが挿管成功率が高かったと。
【出典】
Flexible-tip bougie vs. stylet for tracheal intubation with a hyperangulated videolaryngoscope in critical care: a randomised controlled trial
Anaesthesia. 2025 Mar 30.
Flexible-tip bougie vs. stylet for tracheal intubation with a hyperangulated videolaryngoscope in critical care: a randomised controlled trial
Anaesthesia. 2025 Mar 30.
対訳テキスト:20250402-3.pdf
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