■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2025/04/23

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【問題1】(心臓・血管) 心不全時の治療として適当でないものはどれか?
1) 利尿剤
3) 安静仰臥位
5) 血管拡張剤
2) 酸素マスク
4) カテコラミン


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[解説] 心不全時には心拍出量低下とともに肺のうっ血のため酸素の取り込み、組織への酸素供給が低下しているので、酸素マスクの装着は適切である。利尿剤の投与は前負荷軽減に働き、血管拡張剤投与は、静脈系に作用するものであれば前負荷軽減に作用し、動脈系に作用するものであれば後負荷軽減に作用し適切である。カテコラミンの投与は心拍出量を増加させ組織酸素供給を改善するので適切である。酸素消費を低下させるために安静にするべきであるが、仰臥位よりも坐位の方が前負荷軽減に働き患者は楽である。


[正解] 3 [出典] 内科レジデントマニュアルP119



【問題2】(麻酔科学用語) コロン以下の日本語に相当する英単語、フレーズを答えよ。

(1) (h_____) : 吃逆/しゃっくり

(2) (d___________) (m_____) (r_______) : 脱分極性筋弛緩薬

(3) (s___________) (b____) : くも膜下ブロック

(4) (e__________) (l_________) : 試験開腹

(5) (p____) (p_______) : 腹臥位


[解答]
(1)hiccup(2)depolarizing muscle relaxant
(3)subarachnoid block(4)exploratory laparotomy
(5)prone position


[出典] 麻酔科学用語集 第3版





【問題3】(中枢神経) 開頭術による手術が適応とならないのはどれか?
1) 小脳出血
4) 橋出血
2) 被殻出血
5) くも膜下出血
3) 皮質下出血


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[解説] 脳内出血に対する手術適応は頭蓋内圧亢進に対する減圧術である。mass effect が著明な場合には血腫除去術を行なう。開頭術による手術は皮質下出血、小脳出血、被殻出血に対して行なわれる。一方、定位脳手術は、高齢者、視床出血、脳幹出血でも行ないうる。脳出血のうち、視床出血や橋出血は開頭術による手術が適応とならない。


[正解] 4 [出典] クリティカル記憶術2P36



【問題4】(麻酔合併症) 麻酔中の低血圧の原因として誤っているのはどれか。

ア:静脈還流量の減少

イ:心臓ポンプ機能の減少

ウ:体血管抵抗の減少

エ:迷走神経反射

オ:高二酸化炭素血症の初期


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[解説] 静脈還流量が減少すれば、心拍出量が減少するので、血圧が下がる。心臓ポンプ機能が減少すれば、1回・分時心拍出量が減少するので、血圧が下がる。体血管抵抗が減少すれば、血圧は下がる。迷走神経反射により徐脈、時に心停止さえ起こる。意識下では、高二酸化炭素血症は交感神経系を刺激し、心拍数、心筋収縮性、および1回・分時心拍出量を増加させる。非常に高度になると心拍出量は低下する。以上のパラメータは麻酔下では修飾されるが、血圧低下は起こらない。


[正解] (オ) [出典] 第32回麻酔指導医認定筆記試験:B17

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