Q:PUMA(Project for Universal Management of Airways)とは何か?

PUMAアイコン.pngA:Project for Universal Management of Airways(PUMA) は、安全かつ一貫した気道管理を世界中のあらゆる臨床現場で実現することを目的とした国際的なプロジェクトです。

PUMAの目的
PUMAは、「どこで誰が気道管理をする場合でも、共通の原則とガイドラインが必要である」という考えに基づいています。つまり:「麻酔科」「救急」「ICU」「病棟」など、すべての医療環境で使える“普遍的”な気道管理の原則を作ることが目的です。

背景
・気道管理は医療現場のあらゆる分野で重要。
・しかし、分野ごとに使われているガイドラインや手法がバラバラ。
・統一性がないことで、教育やチーム医療の妨げになる。
・特に予期せぬ気道困難では、混乱や遅延、合併症のリスクが増す。

そこで PUMA は、あらゆる状況に共通する原則(ユニバーサル・プリンシプル)を定義し、どの現場でも使えるようなガイドラインを構築することを目指しています。

PUMA のコア原則(抜粋)
1. 酸素化の優先:挿管よりも酸素を届けることが最優先。
2. 状況認識とコミュニケーション:チーム全体で状況を正確に把握する。
3. 決断のタイミングを明確に:何回失敗したら次の手段に移るか、事前に決める。
4. すべての人に適用可能:どの年齢、どの病態、どの施設レベルにも使える。

誰が作っっているの?
・主導者の一人は、Vortex アプローチの提唱者でもある Dr. Nicholas Chrimes
・国際的な麻酔科医、救急医、集中治療医が共同で作成

関連文書
PUMAは、以下のような論文・文書を発表しています:PUMAと他のアプローチの関係
・Vortex アプローチ は、PUMA の実践ツールのひとつ
・DAS(英・困難気道学会)ガイドライン などの既存のものとも整合性をとっている

公式ウェブサイト(英語)
[PUMA公式サイト]
PUMA 公式サイトによると、PUMA プロジェクトでは、気道管理に関する包括的な推奨事項を提供する 6 つの主要な文書が作成されるとしています。
表. 普遍的な気道管理ガイドラインの構成要素
項目内容
1. 気道管理の基盤を提供する普遍的ガイドラインすべての気道管理のエピソードを安全かつ効果的に行うために何が必要か?
2. 気道管理のリスクを評価するための普遍的ガイドライン臨床医は何に注目すべきか?
3. 気道確保戦略を策定するための普遍的ガイドライン気道をどのように管理すべきか?その計画が失敗した場合の計画は?
4. 気道管理の準備のための普遍的ガイドライン特定の気道管理のエピソードを実行するための準備態勢をどのように最適化できるか?
5. 気道管理を実施するための普遍的ガイドライン次気道管理の介入を行う。もしすべてがうまくいかなかったらどうするか?
6. 気道確保の結果を伝達し、将来のケアを最適化するための普遍的ガイドライン次の担当者に何を伝えるべきか?私たちはどのように自分たちの診療を評価し、改善するのか?

この記事へのコメント